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2014.06.29

【芝居】「復活!ゴールド劇場特別公演 『松野井雅ひとり芝居〜万華鏡三景〜』」二本松企画

2014.6.14 23:30 [公演情報]

温泉地の真ん中にある20人も入れば半分は立ち見の元ストリップ小屋をそのまま使った企画公演。 元AV女優の松野井雅の一人芝居、作演出は赤澤ムックで。45分。 アタシの観た回は追加公演だけれど、このあとにもう一回24:30の追加公演。

潰れたストリップ小屋、掃除をしているおばちゃん。あるいは 一度踊ったことがある女、若い恋人が逢いに来た。 ストーカーのように出待ちしていたオジサン、刑期を終えたという手紙、店長と恋仲でもつれ、女が刺してしまったところに。そのオジサンが現れる。

蒼々たる劇作家が当日券に並んだりしてる、というのも壮観ですが、劇場に入ってみれば舞台は一畳半ぐらい、そこにぎゅっと、という見世物小屋的な楽しさ。ストリップ小屋にスマートボールの遊技場が鍵型に組み合わさるような小さな空間を見いだした時点で勝ちは決まったようなもので、果たして、劇作家大会においては市長賞を受賞。町の中にある隠れた「資産」を生かした企画が功を奏しています。

物語も役者もその場所、その雰囲気を存分に生かしています。温泉地、社員旅行かもしれない。家庭から離れた男の一夜の気持ち、というのを女優の外側に作りだします。若い可愛らしい女の子から、擦れた感じ、さらにはストーカーな中年男への感謝の気持ちに着地します。

松野井雅を拝見したのは初めて。目が大きくて、鋭い眼光、ちょっと気の強いストリップ嬢かと思うと、その印象から、おぼこな感じの少女だったり、掃除のおばちゃんの人生を積み重ねた厚みだったり、あるいは中年男に惚れられられた女の怖さに震える疲れたような感じから、秘めていることがある、というミステリアスまで、振り幅の魅力。あまりに舞台が小さいので、そこにこの存在感の役者は胃もたれするほどに強烈というのは痛し痒しだけれど、赤いカーテンの前で強い印象を残すのです。

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