【芝居】「怪獣使いの娘たち」味わい堂々×バジリコFバジオ
2014.6.21 19:00 [CoRich]
その南の島は船乗りに発見されて、美しい名前が付けられた。それから年月が経ち、島には人間がウサギという怪物に変異する現象にみまわれていた。かつては教会もあったが、今は破壊されてしまっている。領主の妻もまたウサギになってしまったが、かつて養女たちに甘塩っぱい食べ物を作ってくれて養女たちはそれが忘れられない。
三人の養女を溺愛する領主はウサギを怖がる養女のためにウサギの殺戮を繰り返しているが、元は人間だったこともあり、革命組織がかくまっていて、領主の兄の蜂起を望んでいる。
ダークファンタジー風味の物語。凶悪なウサギに変異してしまうという奇妙な現象が襲う国。独裁者たる領主、彼が育てるイノセントなしかしワガママな養女たちが主軸で、でもその中で反逆者たちが身内から育っていたり、この島の出来事を語る謎の植物、あるいは人形のチカラ強さはもちろんバジリコの持ち味で最大限に。
それなのに、なのです面白そうな要素は山ほど詰め込まれているし、役者だって味わい堂々の三人を初めとしてテンションの高さもコミカルも絶妙だし、歌もいいのですが、物語として入ってこない惜しさ。夢さえ見られないがゆえにウサギにならずにすんだ(それも夢か、なのですが)一人生き残ってしまった独裁者の孤独。この終幕はわりといい味わいだとアタシは思うし、一人の男の脳内で起きていることが一つの国の大きな話だった、という落差が欲しかったということは理解出来るのですが、なんだろ、どこかバランスが悪いというかそこまでのあれこれで何かを語っているかのような思わせぶりが多すぎて脳みそが疲れちゃったというか。
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