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2014.06.04

【芝居】「プルーフ/証明」DULL-COLORED POP

2014.5.31 13:00 [CoRich]

安定のダルカラ版。宝塚、青年座、テレビ系の俳優という新たなキャストを得て、客層も変化しています。4日までサンモールスタジオ。150分。 ( 1, 2, 3, 4)

場面の転換に一つの役のストップモーションのシーンを挟んだり、ロックな曲をかけてみたりと、ポップさを演出しているものの、これまで見てきたプルーフが谷翻訳のものばかりで、ずっと見続けているアタシにはどちらかというと精度はあがっているものの、かつてのポップさよりは、重厚さだったり安定だったりを強く感じる仕上がり。それは大きな舞台の演出をすることも増えている演出家の変化やキャストの変化が素直に投影されているように感じます。それは成長を見守るような気持ちにもなるけれど、なんか寂しくなっちゃう気持ちが、どこか舞台を見守る父親の気持ちに勝手にシンクロしてしまう感じでもあります。

このあと夜に見た風琴工房版に比べると、ずっとアンダグラウンドな香り。それは劇場の違いということだけではありません。ダルカラ版では基本的にはキャサリンは発症はしてないものの、それに向かっているという印象の造型です。誕生日のシャンパンのラッパ飲み一つとっても呑んだくれだし、暴れるときだって、喧嘩売るときだって下目遣いから見上げるような(わかるかな..ヤンキーっぽい感じ、です(笑))感じで、やや斜に構えるという印象なのです。私にとっての基準点はダルカラ版ですからこれが普通なのですが。それでも全身で不満や思いや不安をぶつける感じは百花亜希らしくて好きなのです。

ダルカラ版であってもキャストによる印象の違いも感じます。山本匠馬はどこまでも素直ないい子、という印象で結果として、ノートを盗そうにないのが痛し痒し。 遠野あすかは、ほんとうに美しく凛として。クレアは数学ではなく金融アナリストという道を選んだという意味で俗物に近いという造型が多い気がしますが、そういう俗物っぽさが薄いのはやや残念。 大家仁志は、感情よりも理性とどこまでもジェントルであり続ける雰囲気。精神を病んでいるように見えづらいのが、惜しいと云えば惜しいけれど、娘に優しく、学問に対して真摯であり続けるという気高さがカッコイイなぁと思うのです。

2007.8
時間堂
王子小劇場※未見
2008.12
コロブチカ
王子小劇場
2009.10
DULL-COLORED POP
サンモールスタジオ
2013.5
DULL-COLORED POP
シアター風姿花伝(谷演出)
2013.5
DULL-COLORED POP
シアター風姿花伝(元田演出)
2014.5
DULL-COLORED POP番外
サンモールスタジオ
キャサリン 清水那保 コロ 清水那保 百花亜希 若林えり/中村梨那 百花亜希
ロバート 根津茂尚 小谷真一 中田顯史郎 中田顯史郎 塚越健一 大家仁志
ハル 玉置玲央 鈴木浩司 小栗剛 東谷英人 大石憲 山本匠馬
クレア 足立由夏 こいけけいこ 木下祐子 境宏子 堀奈津美 遠野あすか

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