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2014.05.06

【芝居】「婆VS女子高生」 月刊「根本宗子」

2014.5.3 16:30 [CoRich]

ねもしゅーの久しぶりバー公演。会場がバーなのにそれを舞台に書いたのは初めてだという40分。18日まで、BAR夢。

中年のおばちゃんたちがまったり呑んだり歌ったりしているスナック。カウンターの隅には静かな男が一人座っている。そこに女子高生が駆け込んでくる。変な人が追いかけてくるので匿って欲しいという。 バーというよりはスナック。夕方らしい時間、ママと近所の常連が旅行とかパチンコとか接骨院とか近所の噂話とかの駄弁をだらだら。そこに逃げ込んで来た女子高生と追いかけてきている演劇部の先輩という女子高生、男を寝取られたとまくしたてるが、意に介さない後輩、おばちゃんたちは話を聞いて、そりゃどっちが正しいわよ、なんて具合に無責任に、しかし真剣に加勢したり、いさめたり。なぜかカラオケを強要されたり。理不尽な目にあった女子高生は泣くけれど、という流れだけれど、もう一ひねりはネタバレへ。

駄弁会話やカラオケがあるぶん時間を取られながらも、40分見終わってみれば、ぎゅっと圧縮されてると感じるのです。後半の濃密さがそこに効いているかもしれません。

ママを演じた梨木智香と常連を演じた異儀田夏葉のステロタイプなおばちゃんだけれど、化粧をちょっと明るめにいれたりして、「おばちゃんが若く作ってる」感じにつくった見た目に、会話は下世話であり続けるというバランスがいい。逃げ込んでくる女子高生を演じた尾崎桃子はイラッとするぐらいに可愛らしさ押しとふてぶてしさがいい。追いかけてくる先輩を演じた長井短のちょっと面倒くさく、しかし真っ直ぐな造型が女子高生 ネタバレ。

それは、サプライズなのだ、というあたりが一つのオチなのだけれど、そこで終わらないのが作家の一ひねり。サプライズで祝われていて悪意なんかないとはいえ、ほぼドッキリを仕掛けられたりしたことに無邪気に喜ばなければならないのか、というやや面倒くさい感覚。しかしそこにはキラリと真実が光っている、という視点がいいのです。ちゃんと前向きに終わる物語も、セイシュンだし、気楽に楽しめるエンタメになっているのです。

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