【芝居】「部活動『鱈。』の(ら)」 Hula-Hooper
2014.5.17 19:00 [CoRich]
ステージのある飲食店でのシリーズ企画、ずいぶん久しぶりです。前回拝見したのは2010年の鳥取公演でした。 18日までgee-ge。ゲストのライブ込みで140分。休憩はありませんが、開演中でも注文、移動は可というアナウンス。
少女たちは恋人がいたり、恋する相手に告白できなかったりしている。少年たちも縄張り争いに明け暮れたりしている。
ある日この港町に楽団がやってきた。昔この町を出て行った男も再び現れる。女を探しているのだというが、偶然出会った少女に心を射抜かれてしまう。
奥手の少女は好きな人に思いを伝えられないでいるが、手紙を書いて渡すことにする。何人もの少女が書いた手紙は強風にさらわれてしまう。
名曲がたくさんなのはいつものとおり。ミュージカル仕立て、という今作は音楽にセリフを載せるシーンも多くて楽しい。
どちらかというと物語の主軸は少女たちにあります。告白できない少女たち、ラブレターを書いたものの渡すこともできないという子供の序盤だけれど、好きなのだということを再確認したり、恋人になったり、やっとの思いで告白したりと少女たちの成長の物語になっています。風に飛ばされた三通のラブレターが入れ替わってしまったり、拾われてしまったりというのがシャッフルする感じで楽しいのです。
ジェームス・ディーン(みたいな女の子、という曲がありますが)、という役名の人物だったり、久々に現れた幼なじみなど、LGBTな要素を盛り込んでいるのはちょっと面白い。直接関係があるわけではないと思いますが、かつて団長(主宰)が掲げていた「女にモテる女でありたい。」にちょっと感覚を感じるアタシです。 今の劇団webからはいつのまにかそのキャッチフレーズは消えていますが、 むしろ「女であることに決して媚びず、女であることに決して怯えず、女だからできること・できないことを「女」に逃げずに表現する。」というのが、それをかみ砕いた表現。「鱈」は、部活動というサイドセッションだけれども存分に感じるのです。
幼い少女を演じた西田麻耶の振れっぷりが楽しい。ジェームス・ディーンという役を演じた大竹沙絵子は女の子でもあり男の子でもあるという大人になる直前の刹那のよう。説得力があります。初めて拝見した菊池ゆみこは、あまりにエキセントリックなキャラクタだけれど、なるほどミュージカル俳優だし、きっちり歌い踊るのです。どちらかというとリアリティよりはデフォルメが強いけれど、それゆえに強烈な印象を残します。久々に生の声を聴けた安田奈加もアタシには嬉しい。
土曜夜の日替わり部員ことゲストは東京くものすカルテット。松本でのライブも楽しかったのだけれど、それほど間を置かずに近くで見られたのが嬉しい。ホントは役者としても巧い片岡正二郎だけれど、どちらかというと茶番っぽく、ぎこちなくやるのもこのフォーマットだと、うまく機能します。 芝居に組み込まれるようになっているという作りもあわせて、いいなぁと思うのです。
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