【芝居】「リーガルハイハイ」PeachBoys
2014.4.26 14:30 [CoRich]
いい歳した童貞三人を描く下ネタコメディの三回目。90分。27日までシアター711。
有名なアーティストの絵を描いていたのは別の男だったが、その絵に対する思い入れゆえにゴーストを演じていた男は裁判に訴えることにする。アーティストが雇った敏腕弁護士はゴーストの性癖に目を付け常連の風俗店に出入りしていることをつかむ。
あの童貞三人組の一人は大学の柔道部で煩悩を断ち切ろうとするが、部員にはぽわんとした断れない女が居たりして、煩悩は消えない。OGは弁護士として活躍していてゴーストの弁護をしている。三人組の二人目はゴーストの息子だが親子の関係は冷え切ってる。三人目はゴーストの若い再婚相手に惚れてしまう。
基本的には下ネタで何も残らない話だ、という前説からスタート。今時のゴーストにまつわる物語を物語の骨格に、童貞3人組のヤリたいパワーに加えて女性たちはほぼ美しく色っぽくセックスが好き、というバカバカしさをエンジンにまわる舞台は、どんなにバカバカしくても、突き詰めて作り込めば圧巻のエンタメになるということの見本のよう。もちろん、新感線やナイロンなどの前例はあるから独創的かというとそうでもないわけですが、この小さな劇場でほぼ素舞台で演じることで、マンガのような雰囲気すら纏うのです。ゴーストをめぐる人々の濃さに負けないようにするためか、テレビドラマやアニメ、ゲームに至る濃いキャラクタをこれでもかと詰め込んでいくというのも成功しています。
女性たちも眼福だけではなくて、誇張していろんなタイプの女性キャラクタを用意して物語に組み込んでいます。美大志望の男口調だったり、童顔ないい歳とか、色っぽい年上女性、押しに弱い女、煽る女、美人じゃないけど男がハマってしまう女、有能だけどセックス至上主義とか。 とはいえほぼ全員がセックスが好きだというのはいまどきエロゲーがエロマンガにしかなさそうな感じなのはすごいっちゃあすごいのだけれど、まあこういう作品なのでそこをツッコむのは意味がないわけですが。
正直に云えば童貞三人のうち、友人の母親に恋してしまう男だけが物語のバランスの上ではほとんどほかの登場人物とのリンクが少なすぎるというきらいはあるのですが、意外なほど印象が薄くならないというのはたいしたもの。
童顔の美大志望を演じた森口美樹はたしかに年齢不詳さがぴったりな雰囲気で。押しに弱い女を演じた堂本佳世はぽわんとしてやけにエロいという造型にやけに説得力。助手を演じた杉村こずえは実は男役、かとも思うけれどそれでも納得なニュートラルな造型。前説に続き風俗の帝王を演じた三宅法仁はちょっと凄みもあったりしていい、敏腕弁護士を演じた園田シンジはキャラクタのばかばかしさで引っ張る印象。主役となる童貞男の一人を演じたKYOKYOは地味なへなちょこさから生まれる暴走する力が楽しい。柔道部に入って煩悩を断ち切ろうとした男を演じたGOも、戯画的な性的反応がおかしくて楽しい。
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