【芝居】「スマートコミュニティアンドメンタルヘルスケア」青年団若手自主企画 河村企画
2014.3.16 16:00 [CoRich]
山田百次の作演で。85分。17日まで、アトリエ春風舎。
卒業を間近に控えた中学校の複式学級。校長は失踪していて、担任はいらついている。卒業式の君が代、日の丸を巡り校長を取り囲んで教師たちが問いつめていたのを見ている生徒も居る。教室の片隅で、はい・いいえをかいた紙で鉛筆を動かしている二人がいる。 それぞれの人々に守護メンがいるという。窓の向こうの廃団地からこちらを見つめる邪悪なものがあるといい、力強い守護メンを持っている男子たちならば、劇題できるという。盛り上がる男子たち。女子はひややかに見ているが、やがて彼女たちもその異常な現象を感じるようになる。が、教師が入ってきてそこでいったんおしまい。 数日後の教室、あのとき結界を張っていたにもかかわらず、心の隙間に邪悪なものを取り込んでしまったのは誰だという裁判な風景。
体操着姿、学校のスチール机・椅子、教壇という道具立て。団地はあるけれど人は居なくなっていて、 全学年で7名という複式学級の教室の中で起こること。年上だけどやや年下に嘗められていたり、 プロレスっぽい感じでいじめに近いことが常態化していたり。こっくりさんとか結界といった オカルトな遊びに端を発したごっこあそびが、 やがてクラス全体を巻き込んで集団ヒステリーになっていきます。冷ややかに見ていた女子も 巻き込んでの一大スペクタクル。 あるいは結界を張っていたはずなのに心の隙間を狙われて邪悪なるものにとりつかれたやつがいる、 という魔女狩りめいたこと。二人しか居ない女子生徒だけれど、一人が標的になっているときに ジャージのパンツを脱がせれば出られなくなるだろうというのを提案するのがもう一人の女子 だったり、それをあっさり覆したあとの周囲の変わりよう。 外から見ていると明らかに異常な事態が起きているのだけれど、その渦中の子供たちは真剣で、 それは滑稽を通り越して怖いという領域。
このヒステリーは、教師の登場によって日常生活に戻るかに見えるのだけれど、 女性の教師は、中華人民共和国が好きで韓国もわりと好きで 朝日新聞も好きで、日の丸・君が代を卒業式にとりいれようとする校長をつるし上げるといった 具合に戯画的に日教組っぽく造型されています。 この教師の許で運営される教室という場所の怖さがジワジワくるのです。朝日と日経という新聞が配られる家で育ったアタシですから、それほど違和感がないはずなのだけれども、 じゃあ、いまの総理が正しいかというとそうとは思えない、このむずむずする感じはどうなんだろう、いろいろと。
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