【芝居】「蜜月の獣」小西耕一 ひとり芝居
2014.3.1 15:00 [CoRich]
ひとり芝居というユニットなのだけれど三人芝居。3日までRAFT。95分。
同棲してる男女。フリーターの男はOLの女のことが大好きでたまらず、女が男友達と食事をして帰ってくるだけでも強く嫉妬する。それなのに、30過ぎでも処女である女には指一本触れない。女は抱いて欲しいと懇願するが、それは叶えられない。 バツイチの男、その恋人になった女、二人を引き合わせた男。繋がりたいけれど繋がれない人々の物語。それは恋人なのに抱かない男だったり、セックスはしたいはずなのに、次の恋人に抱かれそうになると全力で抵抗する感じだったり。レイプされた経験のある女性を真ん中に置き、二通りの男を配置します。
正直に云えば、ずっと好きだった男がなぜ彼女を別の男に紹介したのか、が今ひとつ腑に落ちないこと。もう一つ、終盤の初めまして、で始まるシーンの意味が分かりづらい気はします。順番が違えば、あなたのことを守ることも出来たかも知れないし、きちんと抱いてあげられあかもしれないし、受け入れられたかもしれない、というシーンと読み解きましたがどうだろう。もしかしたらあったかもしれないパラレルワールドという感じでもありますが、それは現実ではない、ということの絶望。
レイプされた女性に対して男性が話をするということの二類型を描くのは丁寧な気がします。話させることでセカンドレイプに繋がるという男と、君のことを知りたいからといって話して欲しいという男。私の感覚としては前者の方が腑に落ちますが、後者はつまり、自分のことが一番大事、というキャラクタなのだと気づきます。だから、女が止めたって、アイツを殺す、という激情につながるということ。あるいは前妻に拘泥するということにも説得力があります。
バツイチの男を演じた河西裕介は病的なほどにいろいろ思い詰める造型の説得力。 女を演じた宍戸香奈恵は誠実で、美しく、しかし恐怖と戦いながら中心にいるという姿がいい。アタシは一番奥にある寝床の横の席でしたが、布団で居るシーンの色っぽさ、角度的に胸元が見えたりもして勝手にドキドキするオヤジです。 紹介した男を演じて作演を兼ねる小西耕一は、どちらかというと優男の造型。あたしとしてはこの役からの視点で芝居をみていました。優男じゃ無いけど。
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