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2014.03.25

【芝居】「OLと課長さん」関村俊介と川村紗也と浅野千鶴の三人芝居

2014.3.21 19:30 [CoRich]

女優二人と作演を兼ねる俳優という公演。あひるなんちゃらの駄弁芝居だけれど、役者もスタッフも最小限の人数で回すというのもちょっといい(初日は)65分。23日まで、スタジオ空洞。

昼休みの公園のベンチ。先輩後輩の二人のOLが座っている。課長に相談があるのでランチを一緒にしようと呼び出したのだ。いい歳の先輩OLはアイドルになるために会社を辞めると言い出し、後輩は先輩が辞めるなら一緒に辞める、という。

時に理不尽なこと、時にうなるような鋭さを混ぜ合わせながら魔法少女アニメ(クリーミーマミとかミンキーモモとか懐かしすぎる)に端を発して、OLに人気なランチ弁当事情や、ラーメンや牛丼に一人で女子が 入れるか入れないか問題、会社を辞めること、カレーのトッピング、会社の不満、将来の夢なんてことがさまざま入り乱れて語られます。なにも生産的なことが起こらないという無駄の権化のような会話が楽しい。OL二人がベンチに座って無駄話をしているさえずりをガン見し続ける、というオジサンにとっては夢のような(笑)シチュエーションも実に楽しくて。

仕事中にインターネット見続けちゃってるのに、なんで給料もらえるんだろうとか、本当はイヤだけどこの場をなんとかするために受け入れるとかの心の声のダダ漏れとか、トッピングになるならどれがいいという突拍子もなさをつっこんだら課長が乗っかるとか、来月の13日に有給を取りたいといったら却下されるからブラック企業だと思ったけれどそれは日曜日だからとか、なぜか挟まる、ループする実験的な演劇なんか大嫌いという一刀両断に喝采を送ったり。コネタを重ねるけれど、ずっとずっと笑って 観てられるという芝居のなんと幸せなことか。

先輩はソックス生足、後輩はストッキングというのがなんかいい取り合わせ。これもオヤジだからか。 先輩を演じた浅野千鶴は時に突拍子もないぶっとびな感じだったり、時に常識的で説得力だったりの、静かな中見た目に対して内面に飼っているある種の狂気。後輩を演じた川村紗也はむしろ天然な造型。ぼけまくったり、上司をぞんざいに扱ったり、それなのに絵とかヨット買って人生変わるかもという、問題意識だけはあるけれど、全く意味がないというのが楽しい。 課長を演じた関村俊介はOL二人にいいように扱われて、トホホな感じを交えつつ、でもちょっと嬉しい気持ちもありそうなオジサン感がいい。

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