【芝居】「Hula-Hooperが、ゴドーを待ってみる」Hula-Hooper
2014.3.2 18:00 [CoRich]
Hula-Hooper名義としては6年振りの上演とか。菊川朝子と上枝鞠生の二人芝居。待っているのはゴドーなのかはややわからない、90分。(開演予定時刻基点、休憩込み) 3日は休演で4日が千秋楽。下北沢・Mother's RUIN。
ダイニングバー。女が一人入ってくる。いつもの何かを頼んだりする。あとからもう一人。入ってくる。二人は知り合いのようで、作家である一人が書くはずの物語が書けないのをずっと待っているのは女優らしいもう一人。ここに居るのは二人きりだけれど、時におじさんを登場させてみたり、アテ振りをしてみたり、書けたらこんないいいことがあると夢想してみたり。演劇の舞台に立つのは久しぶりだから自分を観に来てくれる客なんか居ないと拗ねてみたりしながらも。
人生は暇つぶし、というほどには達観しないけれど、どうしても必要というわけじゃないエンゲキを続けて行くしかないし、続けて行きたいという決意表明だと思うのです。東京と遠く離れた出身地を行き来する生活だったり(そこで公演やったりもしてる)、なかなか公演を打てないということの焦りだったり、あるいは なかなか舞台には立てていないという気持ちだったり。 表現したいという切実さが感じられる芝居(もっとも、今作はある種の「書けない節」だったりもするけれど)というのが俄然大好物なアタシです。
そのキリキリとしているであろう気持ちはきっちりと隠して、 前半はビールの一杯目がオイシイとか、二重敬語が許せないとか、あるいは時にアカペラで歌を口ずさんだり、アテ振りしてみたり。なかなか現れない ゴドーならぬ物語を待ち続け、あるいは待ちくたびれながら、やめると時にいいながらも、エンゲキから離れられない感じで進む物語。
休憩を挟んだ後半は、ヨガ・ピラティスに浮気した(ある種の自己実現という意味で、エンゲキと対比してフィジカルトレーニングを持ち出してくるのが巧い)など、続けて行っていいのかという不安な気持ち。それはもう会わないとか、ココを出て行くとか逡巡しながらも、二人で歩みだそうという決意表明のようで気持ちいいのです。ああ、なるほど、何か孵化できるかもしれないタイミングを待ちつつ、しかし馬鹿馬鹿しい会話をしつつ、時間を潰していく、という人々。そら、会社員のアタシだって、時間を潰すために生きてるところはあるわけで、どこか気持ちがシンクロしたりするのです。
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