【芝居】「そしてまたキミのユメをみる。(B)」なかないで、毒きのこちゃん
2014.3.21 17:00 [CoRich]
死を意識させるBバージョン。23日まで、風みどり。
二人の女が住んでいるが、浮いた話の一つもない。ある日、一人が夢でいい男に結婚を申し込まれ子供ができたといい、夢の虜になりそうになるのをもう一人が懸命に止めようとするが
「芝ちゃん、浜ちゃんん、たかなしくん」
寝間着の女、どこで人生を間違ってしまったのだろう、非行に走り父母の借金を背負い、風俗をしたりもするけれど、結婚した君は支えてくれて
「さよなら、はじめましてちゃん」
カメラでビデオレターを撮る。もうすぐ死ぬので家族に遺産相続のこととか、どうしてこんな姿なのかを語りかける。
「みどりちゃん、もうすぐべいじゅちゃん」
「芝ちゃん〜」は落語のような体裁で語り始める、夢に拘泥してしまった女の話に始まるけれど、夢に囚われてしまったのは単にイケメンだからというわけでもなく、なくしたものを忘れないために夢の中で囚われているという話に着地。後半が涙ながらに声を張り上げつづける熱演だけれど、感情の吐露がインフレーションを起こしてしまうのがやや残念で、抑えてやるのでもいいのではないかと思ったり。
演じた背乃じゅんはどちらかというとコミカルに強い役者という印象で、そういう意味では
苦労したのではないかと思いますが、新しい一面。
「さよなら〜」は女の一代記。朝起きて歯を磨いてという日常のテンションで始まりながらも、踏み外した人生を検証するかのように順を追っての波瀾万丈。長い髪振り乱しての熱演ではあるのだけれど、こちらもやや感情のインフレーション気味で、高いテンションが長く続いてしまうがために、後半が平坦に見えてしまうのが惜しい。演じた三澤さきは長い髪が印象的。序盤のジャージ姿で歯を磨くシーンの可愛らしい感じが好きです。
「みどりちゃん〜」は死を間近にした女の家族へのビデオレター。深い悲しみをかくしてつとめて明るく振る舞おうというテンションがやや妙な空回りになるという体裁。結婚の遅い長女、早々に結婚した次女とその婿と孫、夫へのそれぞれの語りかけ。物語としてのキーは、死期が近いのに財産叩いて全身美容したのは夫への愛、ということなのだけれど、せっかくのハイライトが全体に対して同じバランスになっちゃうのが惜しいといえば惜しい。演じた梅本幸希は終始笑顔、実は平坦になりがちで大変だとおもうのだけれど、その中でも起伏をちゃんと作ります。
全体を通してみると、題材や演出の雰囲気が似てしまった感はあって、ややもったいない感じ惜しい。
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