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2014.02.12

【芝居】「行動・1」射手座の行動

2014.2.8 15:00 [CoRich]

12日まで新宿眼科画廊。大雪でやや開演が押したけれど、予定通り80分。

男は部外者立ち入り禁止の場所にこっそり愛妻を連れ込む「こだま」。
接骨院、診療時間が終わったあと。ここに通っている若い夫婦が呼ばれる。院長は、もうここに来ないでほしいという「ある院長の憂鬱」
タクシーの運転手、今の客を乗せてすでに3回も動物をひいている。客は兄妹、待ち合わせがあると駅まで乗っていたのだが「タクシー」
生徒の家、親に会いに教師が三人訪れている。親は学校に申し入れをしてたが、 その対応のために教師たちがやってきた。「親」

登場人物が重なるけれど、基本的には直接の関係のない短編四つ。

「こだま」はコンプライアンス一発アウトな、新幹線運転室への部外者立ち入り。新婚ほやほやな妻との新婚ドライブよろしくなアツアツぶりなバカップルっぷりを徐々に見せ、設定の妙で笑わせる前半。前妻に対するヤキモチから、愛情を示すために(こだまなのに)一駅飛ばせという無茶振り、最初は真面目に見えたのにそれに乗っかっちゃう車掌が楽しい。この流れならもっとアナーキーな感じを期待しちゃうけれど、少なくとも外観は淡々と、しかし内面のアナーキーさが作家らしい感じ。

「ある院長〜」は、些細な好意を押さえきれなくなって、かといって犯罪に及ぶでもなく、きっちり面と向かっていい大人が愛情を表明したうえで、でも自信がないからもう来ないでくれという、なんというか中学生のような素直さ。接骨院で一緒に働く女性もこの院長に好意を持っているというのを端々に混ぜつつも、それをあからさまには語らない秘めたる感じがいい。 好意を持たれた妻、素直に引き下がると思いきや最後の一言で、オジサンの気持ち一気に燃え上がらせてしまう幕切れがちょっと好きで、アタシだって気持ちが妙に燃え上がる。

「タクシー」は動物を立て続けに引いてしまう、なんか引きの悪い感じの運転手。あろうことかその罪を気持ちだけでも一人分引き受けてくれないかという混乱した感じは、引きの悪さを自分で引き寄せてるんじゃないかという雰囲気。 失意のままにタクシー運転手となったけれどうまくいかない仕事を、妻が密やかに支えていこうという愛情はいい話ではあるし淡々とした語り口も飽きないけれど、この流れなら後半に笑い欲しいかなぁ。アタシは。

「親」は学校に申し入れをした親、一つしか無い特進クラスで息子と同級生のクラスを分けて欲しいという無理な要求。モンスターペアレントか、という対策を教師たちが取っているから、対応がマニュアルめいているという設定の面白さ。生徒たちの関係という問題を解決するのでは無くて、その親がモンスターペアレントかという判定やその対策に多大な時間をかけているという、本末転倒に問題に向かい合っている姿は可笑しいけれど、どこかできっと起こっていそうな風景だなとも思わせて、ちょっと暗澹たる気持ちにもなったりして。

四つの物語は、一話の運転手と車掌が、二話・三話に現れ、二話の妻が四話に現れという繋がりはあるものの、基本的にはまったく別個の話。世界を共有しているという感じでもないし、四つの物語に何か構造があるという繋がりがあるわけでもないのはちょっと勿体ない感じ。個々の話は何かで観ていると思ったら、これシティーボーイズの味わいにちょっと似てる、と思ったらそのとおり、何本かライブの台本を書いているよう。シティーボーイズだと、全体になんか枠組みめいたモノがある気がするのだけど、それはあの三人、というだけのことかもしれません。

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