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2013.12.30

【芝居】「同行二人」同行二人

2013.12.27 15:00 [CoRich]

この戯曲を上演するために結成され、一年ぶり再演。アタシは初見です。60分。 28日までmagari 中野店。

引っ越しの準備でしまい込んでいたカフェの開店告知のはがきをみつけた。駅の近く、路地にあるカフェを訪れた女。 些細なことが積み重なって離婚、そのあと数年ぶりに店のオープン前にふらっと訪れ再婚の報告をしてから初めて訪れる。コーヒーを入れてみる手つきは覚束ないけれど支えてくれる気がする。

結婚していた二人。離婚を経て、男が開店した店を訪れるぐらいには友達という距離感だけれど、別の人と再婚する女。それから数年を経て誰もいないこの店に寄ってみる女が報告したかったこと。

便座の上げ下げなど些細なことの積み重ねで喧嘩して別れたけれど、節目を報告したいという気持ち、男はちゃんと話を聞くし、再婚にもちゃんとおめでとうと心の底から云ってくれるという「信頼できるひと」であった男。だからこそ節目の報告はしたいし、もう男がこの世に居なくなっているのに、最後に会った彼の店を訪れて妊娠を告げたいという気持ち。どちらかというと女の側の主観視線で紡がれる物語だけれど、(夫以外の)人生の伴走をしてくれている人が居ることの安心感。

男が亡くなっていて、それなのにこの店に来てしまった、という一点が要で、その構造はわりと早い段階でわかってしまう感じではあります。が、それは大きな問題ではなくて、積み重ねていった想いがあった、ということこそが重要なのです。

女が一人この店で聴いている声は過去にどこかでした会話のリフレイン。だけれど、初めてコーヒーを煎れる横でアドバイスしてくれているのは、これは今まで経験をしたことがないこと。それでも声が聞こえた(気がする)というこのシーンが好きです。が、そこに囚われることなく、ちゃんと前に進もうという終幕も気持ちがいいのです。

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