【芝居】「ことし、さいあくだった人」エビス駅前バーP
2013.12.22 16:00 [CoRich]
25日までエビス駅前バー。 80分。
小説家志望だが実績のない女。大人の恋の物語をオーダーされるも経験は乏しく、男友達が働くバーでバイトに入り客の話をネタにしようとする。
常連の女が社内恋愛に悩む同僚の相談に乗ろうと待ち合わせるが、雲行きが怪しい。
落ち込んだ若手を慰めるために呑みにつれだした先輩と課長。トラウマから女が苦手だという若手がバーで見かけ一目惚れした女と近づけるようにするが。
恋をめぐるいいことなかった人々のものがたり。外側に興味津々な小説家志望を置き、二股の上に風俗通いがやめられない男に惚れてしまった女二人の修羅場、さらには女が苦手な若者とそれを応援する先輩や上司といった人々のドタバタに描きます。
前半の物語はいわゆる三角関係。わりと早い段階で読めてしまう関係、前半こそ正面衝突をなんとか回避するように物語を運びつつも、後半に至っても解決に至らず同じところをぐるぐると回ってしまうというキライはあるし、ビッチだったりやや病んでる感じすらあったりとキャラクタが極端に過ぎるというのもあるのだけれど、それぞれが何か欠陥を抱えた人々の恋愛という意味では「大人の恋愛」そのものを描いているともいえるのです。
この題材にして、サラリーマン三人の後半はどうしてもこれだけでは物語が自立せず、結局前半の物語の関係に追っかけで物語を盛るような不思議な構成に。中年な課長が若い女性に話しかけたらなんかいい雰囲気になってしまうとか、どこの世界のファンタジーかと思ったりもするけれど、そういうことがあってもいいのがクリスマス。かとも思ったり。
物語のベースになるのは、ややいたずらっぽい目で笑いながら、小説のネタ探しをする女と、それに優しい視線を投げかける男の物語。男の想いはやや描かれても、それ以上までは描かない寸止め感は微妙なところ。 小説家志望を演じた菊池美里は、コミカルに強い女優で、口数の少なさでおもしろい、というのが多い印象ですが、大量の台詞で笑いをドライブするということはむしろ珍しい感じだけれど巧くまわります。彼女に想いを抱く男を演じた伊丹孝利もこの雰囲気によくあっています。田口千尋は大人っぽさの造形、引き込まれるような目力。斉藤麻衣子は神経質そう。あいまいな記憶ですが、ビッチとメンヘラ、と二人を評していう雰囲気をふたりとも体現しています。
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