【芝居】「ア・ラ・カルト2 ~役者と音楽家のいるレストラン Final」青山円形劇場(こどもの城)
2013.12.7 17:00 [CoRich]
フォーマット変更から5年、その前から合わせると25周年となる年末・青山円形の人気企画。青山円形劇場の存続の行方ゆえか、ファイナルを謳う180分(有償のワインサービス有りの休憩15分込み)。26日まで。
遅い時間に一人で訪れる女性客、25年前の開店も、5年前の改装も知っている「ひとりだけの特別席〜人生はおとぎ話では終わらない」
会社の先輩後輩、男子二人きりの定例、後輩も結婚し子供も産まれ、もうこの会は「フランス料理とワインを嗜む会〜三度炊く飯さえ硬し柔らかし」
ゲスト(Rolly)を迎えて「おしゃべりなレストラン」
待ち合わせる男女。恋した女の企みがうまくいかず、手近に呼べそうな男を呼びだしたのだ「フランス料理恋のレシピ小辞典〜ワイン一杯よりお茶碗一杯のシアワセ」
「ショータイム」
老いた男女。古くからの知り合いだが、妻は夫をなくしていて、孫の結婚式にあわせて上京している。久しぶりに会う男は亡くした夫とも友人で、歳を取った今でも山に登り続けている。かつての想いはあれど、電話はしない約束だった。「夢見る頃を過ぎても〜ワンダフルワールド」
閉店の時間、最後の食後酒を飲む女。そこに駆け込んでくる男、店員たちもこの店の25周年を祝う気持ちで一杯傾けようとしていた。「マンハッタン〜ベルエキップ よき仲間逹」
たぶんいままでの半分ぐらいはみてるア・ラ・カルト。5年前の大改装に驚き、少し安心した矢先の劇場の問題(その結論はまだ出ていなと思うのですが)を背景にしながらも面だっては語らず、基本的にはこの5年で培われた、恋人たちの現場としてのレストランという基本(タカハシが登場するアレは恋人じゃないけれど)。のフォーマット。もうこれだけで嬉しく成っちゃう風物詩。
体調のせいかどうか、特に前半のいくつかはやたら長い感じがしたり、話が堂々巡りするように感じたりしたアタシです。それでも、テーブルの上の小さな物語は、その緩やかな時間の流れという意味でもフランス料理っぽいのかなとも思ったり。
「ひとりだけの〜」はこの舞台の歴史を振り返るような雰囲気。ちょっと寂しい感じもあるけれど楽しい時間の始まり。
「〜嗜む会」はコミカルに振り切ったシリーズ、マンネリに見えても日々の暮らしの変化を楽しむ気持ち、それは舞台という「ハレ」が無くなったってちゃんと変化はあるし楽しさだってあるよ、と読むのはやり過ぎか。
「おしゃべり〜」はゲストの近況報告、実家が電気屋だってはなしのなんかオッちゃん感が実に楽しい。
ゲストを迎えての「恋のレシピ小辞典」は、片思いし続けている男と気づかない女のどこまでいっても平行線のコミカル。電気釜の大きさで同居かどうかの反応をみるという仕掛けがいい。
「夢見る〜」は亡くなった一人の男を思い続けている男女、歳を取っているのに登山を辞めないのは亡くなった男の命日に押し花を作り続けているという想いもいいし、かつて身を引いた生きている男の方が、この期に及んでも二度と電話はしないと決めているという実直さが前面で、アタシの好きな一本。
「マンハッタン〜」はどちらかというと、この舞台への乾杯という感じを根底に感じます。ラストに一曲ありますが、アタシの観た回では更にも一曲のアンコール。
アタシの観た 7日夜のゲストはRolly。50歳になるのだそうだけれど、生真面目な青年風から、ショータイムのロックアーチスト、トークでの関西のオッちゃん風味、果てはやや業界人めいた造型まで、見た目にはあまり変わらないのに、そのキャラクタの振り幅にびっくりして、楽しむのです。
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