【芝居】「ホテル・アムール」ナカゴー
2013.11.23 19:00 [CoRich]
ナカゴーの新作。12月8日まで、あさくさ劇亭。85分。
ホテルのベッドで男が寝ていて、女がその寝顔を見つめている。女は「浮気してるでしょ」と男に詰め寄る。
シンプルな台詞をこれでもかとしつこく繰り返すのが基本のフォーマット。前半は面倒くさくてシツコイ女が疑う浮気と、うんざりする男が延々と続きます。抱きしめて一瞬納得したりするけれど、でも疑いは晴れずということが延々と。この部分だけ取り出せば、女は理不尽なもの、というひどい芝居になるところですが、まあ、さすがにそうはなりません。
中盤、キレた男が繰り出すのは、唐突なフレーズ。これもまた、うんざりするほど延々と繰り返します。この繰り返しは(体が動かせない体勢であびせられることもあって)DVの様相。これがトラウマになるというのはよくわかって、これが後半でもういっかい出てくるのは巧い。その結果 出てくるのは、生き霊の様相な女たち。この延々と続く地獄の中の一瞬の息が抜ける瞬間。出てこられた側の女子にとってはこここそが地獄ですが。
時間はそれなりにありますが、物語の骨子は本当にこれだけで、繰り返しの可笑しさと云うより怖さを前面に。
これまでも恐怖体験だけれど、更に怖いのは終盤。確かになにをどう説明しても納得しない女を相手にし結果、終盤で男は説得をもう一度試みます。女に対して、誰が前に立っている、ならばなぜ立っているのか、なぜこの距離に立っているのかということを畳みかけ繰り返していって説得というよりはある種の強引に説き伏せるダイアログ。客席から傍で見ている分にはコメディともとれますが、二人きりでこういうやり方ということの恐怖。 営業や勧誘の現場でそこら中にありそうな洗脳の現場を感じさせる怖さに鳥肌が立つのです。
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