【芝居】「モスキート」根本宗子
2013.11.3 20:00 [CoRich]
バー公演を、ミステリー仕立てにした「ミステリーサークル」と題した企画。国分寺大人倶楽部の河西祐介の書き下ろしによる60分。10日までバー夢。 追加公演も設定されたようです。
地方都市のワインバー。店主の姉で東京在住の女が、店主の親友に呼び出されて訪れている。自分の夫が自宅で殺され、浮気の疑いがあり、東京在住だが元カノ女が怪しいと呼び出したのだ。が、妻にもやましいところがあって。
ワインバーをめぐる物語の外側に語り部を設定したような構成の二日間の物語。いわゆる痴情のもつれっぽい殺人事件。落書き、回数券、血液型などを証拠として置きながら犯人を追いつめる、と思いきや、大騒ぎしたわりには、あっさりと乾杯でうっちゃる感じ。解決編と題した二場で、真犯人が判明するけれど、猟奇殺人な風味の真相がまた別にあったり。ミステリーというか、猟奇小説のような感じ。その外側の語り部の存在がちょっといい語り口だったりします。
さまざまにふったわかりやすい証拠や解れをちゃんと回収しているのはいい感じ。落書きをめぐってフェイクにはめるかんじも、まあ古畑にしてもコロンボにしてもよくあるやりかただけれど、ライブってのはいいもので、ちゃんと迫力をもってみせられると、あれれ、そうだったったけなと思っちゃうのは、映像や小説とは違う魅力。
ネタバレかも。
正直にいえば、あれだけ泣きわめいた涙は何だったのか、とか、血液を抜いた犯人はそれを、いつやったのだとか、「血を飲んだことがあるか」という序盤の台詞が、回収されるかというシーンがあるわりに結果的に生かされていないとか、恋人の人数が結果的には嘘だったじゃないかとか、観客に対してやや誠実さに欠けるところがないわけじゃないのは気になります。 それでもやや痛い女たちのくだらない物語というバー公演のベースの上に構造のある物語をこの小さな空間の制約の中で作り出そうという心意気はなんか嬉しい気持ちになってしまったりもします。
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