【芝居】「ファイア・クラッカ」演劇裁縫室 ミシン
2013.10.27 15:00 [CoRich]
去年の演劇祭ではじめて拝見して強い印象を残した岡谷の劇団の新作。いまや演劇祭の目玉といってもいい劇団。27日までピカデリーホール。60分。当日パンフをリバーシブルに裏返すと豆粒のような字でびっしりと戯曲が印刷されている(写真)というセンスも実にいい。
かつてはテレビに出ていたけれどいまはすっかり干されてしまった兄弟の漫才師。ツッコむと客席に爆竹のような爆発音が鳴り響き客がすっかり冷めてしまうからだった。無名時代から兄とつきあっていた女が居たが、売れ始めて天狗になった兄に手痛くフラれ、その傷心を地球外生命体につけ込まれて、兄のカラダにもとりついてしまったのだ。その地球外生命体は海底に居る。門番たちを次々と倒したが最後の的は巨大化してしまった。
パネルを立てて、やや狭くアクティングエリアを設定。オープニングのタイトルは、パネルを動かしながらのプロジェクションマッピングに現実の役者の動きを重ねたりしてカッコイイ。この劇団の大きな特徴になりつつあります。
ワタシは未見ですが、映画「パシフィックリム」な風味(きっと地球外生物があれこれ、というあたりか)が満載の活劇風味。戦い方が、突っ込みで爆発させる、というような兄弟が力をあわせて、みたいな感じ。物語に淀みというのがなくて、ともかく隙間なく濃密にコメディを作り込んでいます。地球外生物が生の鯖を食べると感染していくというのもちょっといい。
正直に云えば、笑いそのものを題材にして物語に組み込むのは相当に難しいと思うのです。舞台の上でやってる「おもしろいテイ」のことをどこまで本気で観客に面白く感じさせるかがポイント。一つ一つのネタはきっちり面白かったりもするけれど、なかなか破壊力のある大爆笑にはならないと、こういうイキオイで突っ走るものは厳しくなりがちです。それでも、今作きっちり走りきっているし、面白いものを観た、という満腹感目一杯なのです。
プロレス芸人が叫び声だけで机相手に格闘するというネタだったり、漫才師が演じるイマイチな給食をフランス料理風にブラッシュアップするネタ、あるいはiPhoneの音声認識(Siri)でやや無茶ぶりふうなことを軽々こなしたりというこまかに作り込まれていると感じさせるのがいい。作家の引き出しの多さ、それをやや頭おかしい(褒め言葉)感じで一ひねりもふたひねりも。気楽に楽しめるように見えて、奥が深くて濃密で、こういう芝居こそが、結果的には敷居が低くて、実は地方だからこそ、芝居を見慣れない人々にアウトリーチする力があるのだと思うのです。
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