【芝居】「カラマーゾフの父」シアタープロジェクト・サザンクロス
2013.10.25 21:00 [CoRich]
一人芝居のユニット。サザンクロスの椿媛が初めてゲストを迎えて行う企画公演。この続編を12月に公演予定。 「カラマーゾフの兄弟」(青空文庫)の物語前半、父親を中心に描く60分。21時開演が嬉しい。27日まで信濃ギャラリー。
長男は婚約相手からの借金のために別の女へ心変わりしているのに婚約破棄ができずにいる。心変わりしている相手の女は男を捨てていない父親ととりあってる。次男は長男の心が離れた女を密かに愛している。借金を返そうと父親が隠していた大金を盗もうと忍び込んだ長男は、使用人に大けがをさせて逃げるが同じ晩、父親が殺され、その疑いが向けられる。
例によって不勉強で原作を読んでいないアタシですが、名作文学をポップにぎゅっと濃縮。父親が殺されるまでの背景を丁寧に濃密に描き、12月の続編へのつなぎます。
いい歳をして男を諦めないまま、息子と女を取り合う父親、男性としての魅力だけではなくて、金がものをいうのだということの、あからさまにわかりやすい下世話さ。執着することの醜悪を鮮やかに、しかしポップに描き、金に裏打ちされたプライドを失うことの恐怖が更に醜悪さを強調するのです。
ポップな音楽とキメキメな演出、少人数の役に絞った構成で骨太に物語を紡ぎ、それ以外の小さな役を少々コミカルに二役三役でつくることで、濃密さと気楽さが混じり合い両立していて、古典文学ゆえの堅苦しさ重苦しさを感じさせずに気楽に楽しめる一本。
演出を兼ね、長男ドミートリイを演じる椿媛は怖い物知らずの若者という造型が 圧巻で、キメるところをきっちり決めて印象的。次男イワンを演じた宮川健太郎は実直さの中に秘める想いと企みな造型しっかり、父親。 フョードルを演じたクサママサキは執着ゆえの醜悪、殺される終幕への説得力。 妖艶なる女・グルーシェニカを演じた雑草は、ややアニメ声と低音の振り幅で鮮やかなコントラスト。 想い続ける女を演じた神戸カナは、実直な男に想われ続ける清楚さを前面に。
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