【芝居】「ウナギとウメボシが人間を天国へ近づける日」空想≠カニバル
2013.10.27 10:00 [CoRich]
まつもと演劇祭の中の一本。信州大学の劇団出身者が作演をつとめる2013年春結成のユニットの初公演。27日まで四柱神社。55分。殺し屋から足を洗って飲食店を始めた男。が、店につどうのはかつての仲間、殺し屋ばかりで、この店に送られてくる依頼を待っている。ある日、送られてきた依頼に書かれていたターゲットは、殺し屋界隈では知らぬ者は居ない最強の殺し屋だった。ターゲット自らこの店にやってくるのだという。
殺し屋たちが勝てそうもない相手に立ち向かうしかなくなって、これが最後の日とばかりに、それぞれの自分語りをする、という構成。無言のマイムで語る田舎の病院に入院している想い人だったり、男遍歴を重ねた末に未婚の母となり生計を立てるために殺し屋となったという話だったり、子供の頃好きだった女子にプリントを届けるパワーマイムのような冒険活劇だったり、ハードボイルド寄りに作られた「時そば」だったり。実はこの部分のボリュームが多くて、ショーケース的な作りになっています。いちおうそれぞれの人物に薄くつなげているとはいえ、それが外側の物語のそれぞれの人物造型につながらない感じなのはもったいない。
開演前に主宰が説明、キャストの一人が現れないので、演劇祭本部との相談の上キャストと構成を手直しして送るとのこと。他の回を観た友人の話と比較してみると、確かに一人減らした上演のようで、不在のキャストが演じていたこの店の店主の役を4人居た殺し屋からひとりシフトしたようです。ショーケース的な作りが功を奏したのか、ところどころ不安な点は抱えつつも、なんとか走りきりました。 猫好きを演じた佐藤賢一は演劇歴もさすがに長いようで、圧倒的な安定感。「時そば」をハードボイルド的な味付けで爆笑編に作り上げるのはたいしたもの。店主を演じた那花優将は当日パンフの役が違うのは上記のような理由で役をシフトしたようですが、それでも観ていて安定感があるのはたいしたものです。
| 固定リンク
「演劇・芝居」カテゴリの記事
- 【芝居】「地上の骨」アンパサンド(2023.09.18)
- 【芝居】「濫吹」やみ・あがりシアター(2023.09.16)
- 【芝居】「蒲田行進曲」おのまさしあたあ(2023.09.15)
- 【芝居】「SHINE SHOW!」東宝(2023.09.10)
- 【芝居】「オイ!」小松台東(2023.09.08)
コメント