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2013.08.18

【芝居】「雨と夢のあとに」キャラメルボックス

2013.8.16 19:00 [CoRich]

7年ぶりの再演(初演)。18日までサンシャイン劇場、そのあと大阪、名古屋。13歳のキャストが居るため限界の21時前には舞台に居なくするようにするために115分見当。

突然の死、それでもこの世に未練や心配事のある人々を描く物語。原作がどうなのかは未読なのだけれど、テレビドラマをうっすらみて、初演をガー泣き(でも物語の記憶は薄れているのがアタシですが)したのを経ての再演。確かにうまく作られていて、死んだことを知らなくても父親の姿が見えるという意味でちゃんと幽霊なのだ、という説得力があるし、別れた子供を想う母親、あるいはライブハウスの夫妻が実の子のようにかわいがり、祖父母だって、隣人だってしっかり見守っているというある種の安心感が物語を支えているのです。

正直に云えば初演ほどのガー泣きには至らなかったアタシです。物語に関心しつつ、どこか、これはもうアタシには関係ない(少なくとも自分が親や祖父の立場ということはなさそうになりつつある)物語ということを感じてしまったという7年の時間の流れということかもしれません。それでも、たとえば想いがあるのに(過去の許せなかったことが壁になって)見えなかった人に幽霊が見えるようになる瞬間やシンプルなパネル一枚で作り出す観覧車の二人きりのシーン、さらには去っていく二人というシーンなど、泣くと云うよりはじんとくるシーンはもちろん健在で見応えがあるのです。アタシには想いでというか少々甘酸っぱいスイートベイジルSTB139の台詞が残ってるのも嬉しい。

少女を演じた吉田里琴は初演の天才子役と謳われた福田麻由子に比べてしまうと少々分が悪いけれど、確かに中学生の瑞々しさや潔癖さは印象的で、また違う少女を紡ぎます。父親を演じた大内厚雄は暖かさ、時に天然っぽくボケたりしつつ真っ直ぐに向き合うという造型をしっかり。初演に続いてライブハウスの妻を演じた楠見薫はこのまえよりはコミカルに振った感じ。夫を演じた岡田達也は初演では父親だったけれど、EXILEかと思うほどの日焼け感というかヤンキー感でボケ倒したりもするのが楽しい。息子を演じた鍛冶本大樹もまた彼だと気づかなかったけれど、なんか凛々しくカッコイイ。なるほど、もう一本(ずっと二人で歩いてきた)のこの役で笑いが起きるのはそういうことか。岡内美喜子の優しさと怖さ振れ幅をしっかり。正直にいえばこの劇場の規模だと解像度がもう少し欲しい感じはあります。

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