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2013.08.18

【芝居】「ベッキーの憂鬱」ぬいぐるみハンター

2013.8.14 18:30 [CoRich]

ぬいぐるみハンターの新作。千秋楽は駅前劇場をしっかり超満員に、ダブルコール。14日まで。80分。

文化祭にざわつく高校の校内。学級委員はクラスの出し物にお化け屋敷を無事に勝ち取り、熱い想いで準備を始めようとしているが、野球部は当日が練習試合にあたるし、万年補欠も暖めていたお笑いで出ようと考え、イケメンはバンドでも出るし、文化祭委員はクラスどころではなくもちろん忙しい。毎日遅刻してくる男とその女はなんか怖くて近寄りがたい。なにより心配なのは留学生だけれど、学校に出てこなくなってしまったベッキーのことだった。
そのころ学校ではウサギ小屋のウサギが何度も殺される事件が起きている。不良がウサギ小屋に居たという証言もあるが決め手に欠ける。文化祭に向かって徐々に盛り上がってきたが、生徒会長はウサギの殺害が近隣住民に不安を与えるとして文化祭の中止を決める。

駅前劇場の規模で17人構成。しかも走り回る疾走感が作れる劇場ではありません。時にコミカル時にかっこいいダンスを挟みながら、舞台の何カ所かに小さく集まった人々やホームルームといった場面を転換していきながら、学校という場所を作り出します。そういう意味では段ボールで作った張りぼてのような(シンボリックな)黒板や体育館というのも文化祭っぽい雰囲気を盛り上げます。

熱い独りよがりな学級委員といまひとつついていかないクラスメイト、あるいはそれに想いを寄せる女子。あるいは万年補欠で冴えないけれど、文化祭でいっちょ一旗をお笑いで、だったり、かっこいい男の子に文化祭委員ゆえに声かけられて舞い上がる地味な女子だったり、あるいはちょっと恐ろしげな不良だったりと、良くも悪くもいろんな人々がごった煮になってるという高校という雰囲気がよくでています。 すっかり子供の心象風景という今までの持ち味から離れたものも何本か作るようになっていて、わかりやすいボーイミーツガールとも違うもうすこし淡い恋心のようなものが点描されるようにもなっていて、作家が描くことの幅が広がっていることを実感します。

イケメンがバンドやりたくて、締め切り後にステージに入れて欲しいと、普段は地味でおそらくは声をかけたこともないような女ふたりに、文化祭委員だからという理由で声をかける。舞い上がりまくる女子二人も楽しいし、あるいはイケてない野球部補欠な二人がお笑いをしたいから3分ほしいといってもわりと冷たく突き放す、というわりと残酷なスクールカーストの描き方がちょっと好き。もっともあたしはそのどれでもなくてなにもしなかった、というクチなので共感というのとは違うのですが。

そういう意味で作家の描く淡い恋心の女子、というのがじつは結構好きなアタシなのです。熱い学級委員にほのかに恋心を寄せるもう一人の学級委員だったり、イケメンと文化祭委員(とくに保健室なんかとてもいい)にしても。

学級委員を演じた山岸門人は暑苦しさすらある熱い学級委員で引っ張ります。それに寄り添うもう一人の学級委員を演じた神戸アキコは可愛らしさもあるし、突っ込みまくる感じもいい。実はキレキレなダンスも。文化祭委員を演じた浅利ネコのいざ男が迫ってきそう感じる照れと妄想が可愛らしく、楽しい。ほぼ一人でヒールを背負う竹田有希子は色気だったり度胸だったりでしっかり。不良を演じた猪股和磨は怖い感じからそのまま心優しいというのはステロタイプなキャラクタだけれど、なんか木訥だったり微妙なダサい感じとかがそれを裏打ちしていて、とても見応えがあります万年補欠なお笑いな二人を演じた森崎健吾と津和野諒は、二人の絶妙さもいいし、不遇な感じだけれどヘコタレないのがダサかっこよくて、いいなぁと思うのです。

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