【芝居】「月と太陽と泥棒と」まつもと市民芸術館・TCアルプ
2013.6.20 19:00 [CoRich]
まつもと市民芸術館の、児童文学発掘シリーズ (1, 2)の最終章。串田和美の処女戯曲を100分。23日まで、まつもと市民芸術館小ホール。
その街は探偵を父に持つ娘が住んでいた。月を探偵してくれという依頼がたくさん舞い込むようになる。月祭りが近づき町長は町外れの牢屋に閉じこめられている泥棒に会いに行く。
列車で泥棒の二人組が訪れた町、太陽がずっと出ない町の人々に、なぜか大歓迎されて。
串田和美の処女戯曲を加藤直が台本化・演出。時に音楽、ときにコミカルな感じなのだけれど、児童文学シリーズとはいいながらも、今までの物とはずいぶん印象が異なります
月と泥棒、太陽と泥棒の大きく分けて二つの物語。月について表面的に興味ありそうなそぶりの町の人々と、自分は普通とは違うのだという男の子の話、その仲良しの泥棒とそれを頼る町の人々という前半。世の中の大多数に対する違和感のような、自分は特別な存在だという感じか。 男の子を演じた佐藤友の少年っぽさ、その違和感と成長の狭間という感じが印象的。 あるいは無声映画のように一人二役で演じるシーンもちょっと好き。演じたのは丸山港都さんだったか(記憶が曖昧....簡単でもいいから配役表がほしい)
後半はそれとは全く別の、泥棒が町を訪れ一仕事、でもなぜか歓待されてしまって、太陽のない町にキャベツで作った太陽で喜ばれるという後半。どちらかというとコミカルなシーンが多くできるのは泥棒を二人組にしてロードムービー風に仕立てているからで、つっこみ、ずっこけというその楽しさ。
アタシが少々ハードだった今週会社帰りだからか物語をのそこかしこを見落としてしまったという恐れは否めません。アタシには二つの物語の間のつながりが見えず、物語をは断片としてしか感じられないのが残念。月・太陽・泥棒という単語からの連想というアリバイこそあるし、騒々しさのあるにぎやかな「劇」ではあるのですが。あるいは、この物語のままでもおそらくは歌も楽器も、あるいは演技にしても圧倒的な役者の力があれば乗り切ることはできるとは思うのです。が、それはこの座組では少々厳しいのも事実。でもそれはレジデントカンパニーを(もちろん成長も織り込んで)アリモノとして使う前提なのだから、原案との間に物語や演出というすりあわせが欲しいな、とも思うのです。
バイオリン弾きだったり、道化っぽかったりと、 片岡正二郎はこの座組の中では圧巻。ほんとに何気なさ、ちょっと客をいじるだけにしても、節回ししてみるにしても、存在するだけで、というすごさ。が、あくまで物語は背負わない道化としてのロールだけれど、それだけだって客席を沸かせるちからなのです。
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