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2013.06.03

【芝居】「ミーツ」ロロ

2013.6.1 14:00 [CoRich]

ロロの新作。2日まで、こまばアゴラ劇場。このあと京都へのツアー。115分。映画の回も設定があります。

二人きりの友達しかいない男の子、緑の毛で覆われた怪物を拾う。そのまま帰ろうとするが、ついてきてしまう。飼おうと思うが、母親にみつからないように自分の部屋に連れ込もうとする。そんな様子をずっとみている女の子。父親は生まれる前に居なくなっている。別れ際に母に託した缶コーヒーの空き缶を父親だとおもっている母親は、息子のことは何でも知っていて。

ボーイミーツガールを描き続け居ているという印象の彼らだけれど、今作はむしろ別れとか出会えないことを中心に描いている印象。前半は 子供が思い巡らせて自分のことを慕ってくれる「怪物」(=動物か、あるいは夢想する何かか)と会話するという楽しいこととか、涙を流し続ける母親とかのある種マンガのような描き方が楽しい。中盤に至り、敵に立ち向かったはずの父親の追っ手は実はいなくて、でもあれだけキメた手前戻れずにいて、その男になにか想いを寄せる女がいて、と展開。後半ではその父親と母親の時間の流れ。(夫が言い残した缶に想いを寄せながらも、生身の彼のことを少しずつ忘れていくということの悲しさ、それなのにすれ違っても気づかない二人の間に流れた時間の長さを思わせるのです。積み上げた缶は時間の流れ、その一番上で妻が手にしたたった一つが夫へ、今の彼女が持っている思い出のほんのひとかけら。

あるいは、幼いときからずっと一緒で、自分のことを好きでいてくれる女の子と、それに気づかない自分。こどもらしくて、女の子が早くオトナになっていて、男の子はほんとに子供のままで。

正直に云えば、印象的なシーンをいくつも作り込んではいるし、物語らしいものは確かにあるのだけれど、そのそれぞれがうまくはまらない違和感のようなものがアタシには残ります。

シルバニアファミリーを背負う女の子と男の二人のダンスシーンは本当に美しい。ちょっと魔法の粉をふりかけたようにきらきらと夢のよう。女の子を演じた水越朋が空気をかっさらっていく感じ。母を演じた伊東沙保は漫画的からシリアスなものまでダイナミックレンジも解像度も高い感じでさすがのちから。

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