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2013.06.13

【芝居】「キャンベラに哭く」桃尻犬

2013.6.8 19:30 [CoRich]

9日まで王子小劇場。

アタシは初見の桃尻犬の本公演。9日まで王子小劇場。125分。

その高校に通う生徒たちで、問題がある同級生ばかりが集められた。 かつてはきれいだった沼は今は汚れていて危険なほど。 妹には引きこもりの兄が居て、父親は鶏を食肉に加工する機械を買って商売している。 不登校の女友達の母親と叔母は、娘が通う高校の担任が、かつて自分たちの姉を殺した奴だと知っている。

高校のわさわさした感じを中心に据え、それぞれの家庭や過去を練り込んで物語を構成します。が、正直に云えば物語らしい断片はあっても主軸が薄い感じは残ります。さまざまな要素を詰め込めるだけ詰め込んで2時間ほどの物語を持続させますが、点描だったり、印象だったり。

主人公の兄は引きこもり、妹のものでしか勃起できなくなっています。母を失い、母の替わりになろうとした結果、というのはマンガのようですが、兄を演じた森崎健吾の見かけの朴訥さに助けられて説得力。 不登校がちな同級生の家の母とその妹、という別の一家は娘の心配しつつも、あれこれ。

この二つの家族の接点がある沼で、しかしその場所に対する想いが正反対、という構図はちょっと面白くて、同じ場所がなくなればいいと感じたり、残したいと感じたりというそれぞれの想いが交錯する小さな街、という感じが楽しい。

後半に至り、主人公は兄とのセックスということや鶏、家族たちのことの夢を見ている主人公、という感じになります。結果、チラシにあるような鶏の格好で、卵を次々と産み落とすという見た目には相当印象的な場面ですが、正直に云えば、少々惜しい感じが残ります。いわゆる夢落ちではありませんが、何かをモチーフにしたというか、物語を結論づけずに、印象、で終わらせた感じがしてしまうのです。

主人公(妹)を演じた長井短、はくっきりとした顔立ち、すらりとした手足が時に投げ飛ばされたり、時に激情にかられたりとダイナミックレンジの広さに確かなちから。 同級生を演じた力徳朋は可愛らしい見た目に陰を造型、日高ボブ美はまた全く別のキャラクタで、この三人の女子高生や、同級生の男子高校生たちそれぞれのコントラスト鮮やかで実にみやすいのです。 同級生の母を演じた菊川朝子は女子高生風からコミカルで楽しい。叔母を演じた堂本佳世、アタシの友人たちは他の芝居での染み出す色気を評判にするけれどアタシはあまり印象がありません。が、それを封印することで、物語の主軸になる兄と妹の物語に集中させるのは巧く機能しています。

当日パンフでは何人かの役に「暗い」「でかい」「うるさい」「まじめ」「やんちゃ」とキャラクタを明記してあります。いろいろご意見はありましょうが、アタシはこういうわかりやすさが嬉しい、と感じるのです。

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