【芝居】「スペインの母A」肯定座
2013.6.23 20:00 [CoRich]
散歩道楽の太田善也による女四人の短編40分。アタシはサンポジウムでの上演(1) を拝見していて懐かしい。24日までCHINEMA BOKAN。合コン帰りらしい女4人。そのうちの1人のものらしい店。1人は若いが、他は三十代。どうも、今日の釣果は薄かったよう。
物語と云うよりは、女優四人のさまざま、若くて綺麗だったり、縁遠そうだったり、あばれたりというそれぞれのキャラクタで作られた人物をのぞき見る感じが楽しい一本。今日の男たちはダメだったね、という反省会のような感じだけれど、そのなかで実は云えないこと、あるいはこの四人の中だって、ちょっとやだよね、と思うようなたわいもない、しかしきっとずっと仲がいいのだろうなと思うような感じの空気感。
一人だけ若くてキレイ、というのが効いてるよなぁと思うのです。若いけれど他の三人と遊びに行ったり、気にしないで楽しく会話できるような関係。だけれど、合コンともなれば、あからさまに格差がついてしまうようなある種の残酷さ。もちろん、それだけであからさまにダメにならないぐらいには中がいいけれど、その格差は、この男はウザいと思って切り捨てられるような男だって大切で、いいなと思うのもまた乙女心という具合に埋まらないのが、またいいのです。
店主を演じた奈賀毬子は落ち着き、場をコントロールするというキャラクタが良く会います。四人の女優が服をたくし上げて乳自慢をする、というシーンがあるのだけれど、もうね、どーんと。 頑張ってる女を演じた菊池美里、そう見えないのに可憐さが見え隠れしてしまうところがほんとうに可愛らしい。 毒づく女を演じた久行しのぶ、明らかに場を荒らしテンションを高く保つという役をしっかり。 ひとり若い女を演じた福原舞弓はこの中においても物怖じしない、ああ、若い美人ってこうだよなぁという造型が堂々としていて惚れてしまうのです。
当日パンフというか、役名と役者名が書かれたモノがないのは残念な感じもあるのですが、開場中に繰り返し流れている動画には役者の名前がクレジットされているのは、うまい工夫だな、と思うのです、こういう仲良したちが、鎌倉の海に遊びにいったんだな、というこの人々の繋がり具合が準備されるのが見やすいと思うのです。
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