【芝居】「ビーチバレー」桃と虎と、イギーとザッキー
2013.5.6 19:00 [CoRich]
畔上千春と八尾ポップの二人によるコント公演。アタシは初見です。お菓子食べ放題、というなんかほほえましい感じも楽しい70分。6日のみ、大吉カフェ。
ダンスで名をなしたいと思っては居ても昼は工場夜はバーで踊る女を見初めたのは工場の社長だった「アレックスとニック」(作・桃と虎)
二つの家の間に共用の子供部屋で小さい頃から一緒に育った双子と女の子、武道館に女の子を連れて行くと言ったけれど「ノーって言ってみろよ」(作・桃と虎)
二股がバレて男に選べと迫る女ふたり。男がひとこと「ブス」と云ってしまったために「Bの話」(作・向田邦彦)
作家からの手紙。ごめんなさい、書けませんでした。離婚して今は会えない娘が客席にきているというのに「振り返れば愛」(作・安西規康)
姉はマネージャ、妹は歌手で付け狙われている。ボディガードを雇ったが「ボディガードしてよ」(作・桃と虎)
将来のこと、もう夢は潰えてる。「モラトリアム同盟 青春 de コント」(作・菊川朝子)
「アレックス〜」はもう フラッシュダンスをパロディにしたような。じっさいのところ、頭から水をかぶるってのをコントのネタにするワンアイディアは当時山のようにあったわけでそこには新鮮さはないのだけれど、あの劇場前の路地で水をかぶってくるという心意気とナマだってことの強みはあって。
「ノー〜」はおそらくは「 タッチ」風、 だけれど、野球をバンドやボクシングに置き換えてという仕立て。必ずしもその置き換えが新たな何かを生んでいるかんじではないのだけれど。おかしなキャラクタたちになにかさせる、という感じの仕上がり。
「B〜」はかの名作「ブスサーカス」がある(しかも異儀田夏葉も出ている)ので、それと比べてみたいな感じにしちゃうけれど、ごく短いコントですから、もちろん何の関係もありません。ブスの一言でキレる女というのがポイントかしらん。最初にバケツの水かぶってるのに、こちらはコップの水、という妙に地味なものをもってくるところがなんかおかしい。
「振り返れば愛」は作家がかけなくてお詫びの手紙、という体裁で、客席に仕込んだ娘への愛情一杯の、という感動巨編、というかまあサライがどうとかいうアタリであの長時間テレビの薄っぺらな感じになるのはまあキライじゃないといえばない。
「ボディガード〜」は歌手とマネージャという姉妹の洋物ドラマ風に仕立てというか、まあこれも調べてみれば元ネタがあるようで、登場人物の名前とかがそのまま。知ってたらもうちょっと違う感想だったかもという気も。
「モラトリアム〜」は将来の夢とかもうなにもない感じというのが途中役者たち自身にだぶるように見せて、でも今の自分意味なんか無い、やっちゃえばいいじゃん、と空虚に前向きに落とす感じ。
コントというにもかなり緩くて、しかも強くデフォルメを加えたキャラクタたち。顔芸にも近いようなつくり。大爆笑かというとじっさいのところよくわからなくて、キャラクタで見せるという感じをいくつも。映画の元ネタがあるというのは、たとえばかつての「ひょうきん族」がそうだったように、一つのコントのつくりかただけれど、そのおもしろオカシイ一部分だけをデフォルメして見せるというところからもう一歩欲しい気がしないでもありません。
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