【芝居】「ひかる君ママの復讐」月刊「根本宗子」
2013.4.29 21:00 [CoRich]
面倒くさい女たちを描くのだという「投稿演劇」という新しいシリーズの展開。ネモシューこと根本宗子のホームともいえる四谷・荒木町の「バー・夢」に戻っての40分。カレンダー通りの休日だけの上演で6日まで。21時開演という遅い時間から気楽に観られるというのも嬉しい。
客入れは始まっていて鏡前に並ぶ役者たち。香水や食べ物が臭かったり喉が弱かったりという役者だったり、降板する役者が居たり、ブスだったり、セリフの返しがうるさかったりのストレスがそれぞれの役者に溜まってきている。出ないと言い出す役者まで居て、主宰以下なだめすかしてやっとの思いで開演を迎える。
前売り1800円(さらに500円引きの各回5枚限定の女性割引きあり)。というわりとイイ値段の割にあっさり40分で終わるという気っ風のよさだかなんだかが気持ちいい感じすらするバー公演なのです。
ネタバレかも
元々の企みか、あるいは本当にハプニングなのかの役者の降板、それを逆手に取ったのか、元々の意図なのかはわからないけれど、タイトルの「ひかる君ママの復讐」という芝居を上演している劇場の楽屋、という設定。その楽屋で起きている事件の数々、ショーマストゴーオンと、役者だって人間だよという起伏だったり堪忍袋の切れ目がわからないような不安が引き起こす不安定な「気持ち」の登場人物たちなのだけれど、あくまで作家はそれを外側から眺めて「おかしなひとたち」という姿勢を徹底して崩しません。それは短編という制約ゆえに結果的には成功しています。癖のある役者たちをそろえたともいえますが、この小さな空間で不釣り合いなほどに声を張るということだったりも、ばかばかしさを加速する感じ。
正直に言えば、当日パンフで謳う、「投稿演劇」なのかはいまひとつ釈然としないし、「演劇でもなく、コントでもないし、...すべての間を取」ったというのもピンとは来ないのだけれど、ウエルメイドなのだ、というのはもしかしたら、演劇の現場に居続ける作家の実感なのかもしれません。(創る側に居たことのないアタシには実感としては感じられないのだけれど)
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