【芝居】「ファーストバージン」Peachboys第弐回公演
2013.4.14 18:00 [CoRich]
童貞三人組という枠組みの物語の二回目公演。100分。14日までシアター711。アタシは初見です。
本当に好きな女の子に出会うまでは童貞を捨てないと誓い合った男たちももう大学生。一人はどこかの妙なセミナーにハマっている。一人は彼女ができたにもかかわらず家庭教師先の母親がどうにも色っぽくてしかも誘ってくる。一人はバンドの追っかけにはまりすぎている同級生の女の子に再会して初恋が再燃する。
童貞三人組があれこれやるけれど、結局捨てられない、という着地点がわかっている、寅さん的なジャンルムービー的な枠組み。そこに至るまでの波瀾万丈は、登場人物すべてが網の目に繋がりまくりなご都合主義もここまで徹底すればたいしたもの。もとよりリアルを追求する芝居ではありませんから、気楽に楽しめることこそが身の上。男子高校生的お色気満載コメディというのは確かに笑いは取りやすく見えるけれど、色っぽさと笑えるバランスというのはなかなかに難しいわけで、それを成功させている今作は、みかけのチープさに反して、なかなかどうしてよくできていると思うのです。
かつての発砲 B-ZINがヒーローものという一点突破で人気を博したのと同様のポテンシャルを感じたりもするのだけれど、同時にバランスの難しさも同じようにあるよなぁと思うのです。これで何作も作れるならば、それはもしかしたらチャンスかも、とも。でも難しいことよりは、エンタメに徹して、それをとりあえずは破綻なくコンパクトにまとめ上げる作家には期待を持つのです。
色気過剰な人妻を演じた秋澤弥里は、透けブラな登場から過剰な童貞喰いに至るまで眼福めいっぱいに目を奪われるけれど、子供を守る気の強さと振り向いてくれない夫への不満というある種ステロタイプな役をそれでもきっちり造形する手際。バンド追っかけで危機一発な同級生を演じた森口美樹も、女教師からナース服、はてはコスプレまでな高橋悠もめいっぱいな眼福で楽しませる。そういう意味ではいぐちしおりは全く別のベクトルのパワフルさで緩急をつけるのです。夫を演じた橋本恵一郎は、出落ち感めいっぱいなれど、徹底したあれこれが楽しい。
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