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2013.04.30

【芝居】「おのれナポレオン」東京芸術劇場

2013.4.27 19:00 [CoRich]

三谷幸喜の作演、野田秀樹の主演という話題の顔合わせ。5月12日まで東京芸術劇場プレイハウス。5月9日には全国の映画館と公共劇場を結んだライブビューイング(上演の生中継)が設定されています。145分。

ナポレオンの死語20年、死因に疑問を持った男が当時の関係者を訪ねてまわる。ヒ素が検出され、暗殺が疑われるようになったのだ。ナポレオンに死の直前まで仕えたシャルル。モントロン、その元妻でナポレオンの愛人となったアルヴィーヌ、死因所見を行ったセントヘレナ島の町医者・アントンマルキ、事実上の軟禁を行い、ナポレオンの勝手に手を焼いたにもかかわらず、死後に評価どころか罵倒された提督・ハドソン・ロウ。付き人のマルシャン。

セントヘレナでの幽閉と、今なお真相が闇に包まれたままのナポレオンの死因に端を発し、史実の隙間を想像力で描きます。序盤は死因に疑問を持った医学生があった人々への聞き取りという体裁で、静かにそれぞれの人物がナポレオンについて語った場面(見え方としては一人語りの)として始まります。主な登場人物をそろえたところで時間がぐっと戻り、出オチ感めいっぱいでナポレオンが登場します。この気まぐれな英雄にどれだけこの人々が翻弄され、時に恨み、それぞれが強烈に「おのれ」と思っているかを執拗に描きます。相関図をしっかりと描く前半の仕込みがどれだけすごいかというのは、全体を見終わった後にこそ感じるのです。

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【芝居】「バタフライ」Mo'Pop

2013.4.27 15:00 [CoRich]

元国民デパリの遠山浩司の作演で。29日まで王子スタジオ1。70分。

アイドルに国の助成がつく法律が施行されて、たくさんのアイドルが生まれた。通称・テンムスのプロデューサー武子と、メンバー・綾乃と田中に新メンバーも加えて。

笑いをベースにしたオムニバスコントで、アイドルとファンやら告白やらおっぱいやらを賑やかに詰め込んだ構成。ブレークには至っていないいアイドルたちの日常を核にしながらも、大きな物語というよりは、好きなものをあれこれアソートした楽しさを共有できるかにかかっている感じもします。

国がアイドルに助成する、というアイドル法の成立の理由がまったくわからないのはまあご愛敬だけれど、助成がつけば雨後のタケノコ、必ずしも強いセールス力だけという尺度じゃなくて、イイのもダメなのもあれこれ試行されるという雰囲気は良くでています。

恋愛をしつづけるアイドル「レンアイドル」ってのはちょっとおもしろい視点。恋愛してなきゃいけないから、彼氏に振られたりするとファンをだましたとして謝罪しなきゃいけない、みたいな枠組みのワンアイディア。若い女性に対して恋愛禁止をうたって、それを破ると謝罪だ丸刈りだとなってしまうある種の異常さをベースのルールでひっくり返して、「恋愛してなきゃいけない」という枠組みにスイッチするアイディアがおもしろい。

あるいは、告白をさまざまに見せる感じ。それを速度で計ってみたり、写真的・テレビ的・映画的など演出手法というか雰囲気でみせるという趣向もちょっとおもしろい感じで、人生をかけた長い告白ってのがちょっと素敵だったりします。

正直にいうと、コントというには爆発的な笑いも、あるいはちょっと唸らせるような物語のようなもの、も少々希薄な感じはあって、役者の生っぽさ、瑞々しさや瞬発力で乗り切った感じは否めません。 綾乃彩はちょっと天然っぽい感じではじける感じ、田中美甫はクールな外見でつっこんくる感じが楽しい。武子太郎はかっこよさとそれを少しずらしてみせる抜群の巧さがあって、きっちり支えます。アタシの見た回のゲスト・小野川晶は所属・虚構の劇団での物語を背負ったりとはもちろん違う感じのコミカルを存分に。ところどころに挟まれる、素の彼女を見せるようなシーンが魅力を引き出します。

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2013.04.24

【芝居】「クリエイタアズ☆ハイ」ホチキス

2013.4.21 18:00 [CoRich]

ホチキスの新作は元気出そうなめいっぱいのエンタメに徹する100分で気楽に楽しめます。27日までOFF OFFシアター。28日には後日譚を特別公演として2ステージが予定されています。

大手広告代理店のクリエーターの男。手がけたCMの荒唐無稽が次々と現実となってしまいデスクリエータの異名をとるようになって干されてしまう。そこに目をつけたのが社内の陰の部署「ネガティブキャンペーン局」だった。ダムに沈む村のローカル鉄道がV字回復の切り札として代理店に発注するが、このネガティブキャンペーン局は、ダムを作りたい省庁の目論見をくんで、デスクリエータの力で、V字回復を失敗させようと考える。
クリエーターにはアイディアがひらめく。一晩かけて案を完成させるものの、今更感のあるアイディアに反応は薄い。が、渾身の愛情を注いで完成させた案は、思わぬ形で人気を博していく。会社としては失敗させたいプロジェクトなのにもかかわらず。

地方のローカル線を舞台に、東京と成功にあこがれる社長や、会社への強い想いの古参社員の軋轢、推進するのが仕事とばかりにダムが必要かそうではないかではなくて、進めることが唯一の方向と考える省庁のこと、あるいは大手広告代理店と政府のどこか黒い関係など、なかなかに社会派だったりというネタがあちこちに。

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2013.04.22

【芝居】「女教師と団地妻」ボクキエダモノ

2013.4.21 15:00

ロマンポルノかと思わせるタイトルが目を引く70分。21日までギャラリールデコ4。

築30年になる団地。婦人会の人々は規律を重んじる会長の強い指導力のもと、強力なコミュニティが作られていた。この団地に引っ越して間もない私立学校の女教師は入院する家族の看病のためだという。ある日、集会所で婦人会の集まりのあと、歓迎会を兼ねて小さな宴会が開かれる。夫への愛情が溢れている新婚に対して、長い結婚生活でどこか陰のあるナンバー2の目に怪しい光が宿り、酔いつぶれた新婚を自分の部屋に招き入れる。

色気違いやレイプ、さらには脅されて主婦売春という話題は出てくるし、コミュニティの崩壊どころか墜ちていく主婦たちの姿を派手に見せながらも、物語の根幹は、金の工面に困った女教師の裏の顔と、優しかった教師への依存へと墜ちるニートの姿、という実はなかなかにハードなつくり。もっとも、日活ロマンポルノだって、濡れ場以外を取り出せばこんな感じともいえるわけで、逆にいえばこの物語の作りで、後は女教師の濡れ場さえ用意すれば(笑)十分にそういう映画の脚本になりそうな雰囲気があります。

序盤は、規律という名の同調圧力が強い婦人会の主婦たち。そこに美しい女教師と、その教え子で今はゴミ捨て場の掃除などを進んで行うニートとなった女を配して物語は始まります。その同調圧力の気持ち悪さというより怖さを見せるけれど、物語は中盤であらぬ方向へ転びます。

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【芝居】「淡仙女」あやめ十八番

2013.4.20 19:00 [CoRich]

堀越涼のユニット、あやめ十八番、初の単独公演。130分。21日までセーヌ・フルリ。花組芝居を拝見しなくなってずいぶん経ちますが、ずいぶん立派なアトリエ兼劇団事務所で、個人的にびっくりしながらの観劇。

男が一人語る、実家は神宮の土地にすみ団子屋を営んでいる。再婚した父母の連れ子同士の兄と妹。子供の頃、祭りの時期に父親の言いつけをまもらず目にした鳥居の先で営まれていた踊りのあまりの美しさに心を奪われた妹は、東京に出て恋人を連れ帰って両親を驚かせたり、仕事も実に奔放だ。それでも家族は見守り続ける。

円形の舞台、その奥に花道というか直線に延びた先に鳥居で、参道を思わせるよう。にぎやかな和風の踊り(日舞とかではなくて、もっと土着な、祭りを思わせるような)と、昭和な選曲の音楽をめいっぱいに。東京にすんでいて、実家を手伝いに呼ばれる男は芝居をやっていて、そこに居る演出家が「妹の人生を演出」しているかのようなつくり。子供だった妹が美しく成長するのを眩しく思う兄はまた、そうなっていく妹のある種の神々しさを「演出している神」がいると考えたり、あるいは「神が遣わした」女友達が育てたのだと考える感覚がおもしろい。まるで作家に妹が居るかのような細やかな兄の気持ちの書き込み方なのだけれど、終演後のトークショーによれば、妹はいないのだ、というのにはちょっと驚く感じ。

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【芝居】「マリア」Straw&Berry

2013.4.20 14:30 [CoRich]

国分寺大人倶楽部の河西裕介と、佐賀モトキ、金丸慎太郎によるユニットの第一回公演。130分。23日まで王子小劇場。いくつかのステージで「おまけ演劇」が10分間設定されています。

バンドをやっている男の部屋に、暴力をふるう夫から逃げて転がり込んだ人妻。男はすっかり人妻に甘えきった日々、曲が書けなくなっていて、バンドのメンバーは気を揉んでいる。ある日、夫が家を訪ねてきて妻を連れ帰ろうとするが、事故がおき、バンドは事実上の休止状態になってしまい、人妻は両方と別れることを決める。

甘えている、というよりは気持ちが弱くて、自分に極端に自信がなくて、認めてもらえる女に対してずぶずぶとはまりこんでしまう男を描きます。この男一人を中心に据え、もっと救いの無い絶望的な「瞬間」を描くことは作家の作風というか、ものの見え方なのだろうと思います。作家個人を知るわけではないのだけれど、twitterのつぶやきでみせる寂しさや時折はしゃいでみせる感じは、どこか主人公に重ねてみてしまうのは、観客の気楽で無責任な見方。

いくつかのステージに設定された「おまけ演劇」は、制作でよく見かける会沢ナオト氏をフィーチャーした、正義の物語。ユルユルで、意識的な棒読み台詞で、コミカルに徹した10分。確かに物語の余韻を著しく損なう、という当日パンフでの警告はまさにその通りだったりしますが、本編があまりにやるせない物語でもあるので、こういうバランス感覚また正しい感じはします。

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2013.04.17

【芝居】「ファーストバージン」Peachboys第弐回公演

2013.4.14 18:00 [CoRich]

童貞三人組という枠組みの物語の二回目公演。100分。14日までシアター711。アタシは初見です。

本当に好きな女の子に出会うまでは童貞を捨てないと誓い合った男たちももう大学生。一人はどこかの妙なセミナーにハマっている。一人は彼女ができたにもかかわらず家庭教師先の母親がどうにも色っぽくてしかも誘ってくる。一人はバンドの追っかけにはまりすぎている同級生の女の子に再会して初恋が再燃する。

童貞三人組があれこれやるけれど、結局捨てられない、という着地点がわかっている、寅さん的なジャンルムービー的な枠組み。そこに至るまでの波瀾万丈は、登場人物すべてが網の目に繋がりまくりなご都合主義もここまで徹底すればたいしたもの。もとよりリアルを追求する芝居ではありませんから、気楽に楽しめることこそが身の上。男子高校生的お色気満載コメディというのは確かに笑いは取りやすく見えるけれど、色っぽさと笑えるバランスというのはなかなかに難しいわけで、それを成功させている今作は、みかけのチープさに反して、なかなかどうしてよくできていると思うのです。

かつての発砲 B-ZINがヒーローものという一点突破で人気を博したのと同様のポテンシャルを感じたりもするのだけれど、同時にバランスの難しさも同じようにあるよなぁと思うのです。これで何作も作れるならば、それはもしかしたらチャンスかも、とも。でも難しいことよりは、エンタメに徹して、それをとりあえずは破綻なくコンパクトにまとめ上げる作家には期待を持つのです。

色気過剰な人妻を演じた秋澤弥里は、透けブラな登場から過剰な童貞喰いに至るまで眼福めいっぱいに目を奪われるけれど、子供を守る気の強さと振り向いてくれない夫への不満というある種ステロタイプな役をそれでもきっちり造形する手際。バンド追っかけで危機一発な同級生を演じた森口美樹も、女教師からナース服、はてはコスプレまでな高橋悠もめいっぱいな眼福で楽しませる。そういう意味ではいぐちしおりは全く別のベクトルのパワフルさで緩急をつけるのです。夫を演じた橋本恵一郎は、出落ち感めいっぱいなれど、徹底したあれこれが楽しい。

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【芝居】「左の頬」犬と串

2013.4.14 14:00 [CoRich]

人気劇団ですが、アタシは初めて拝見します。元・バナナ学園純情おとめ組の二階堂瞳子と、劇団唯一の女優・鈴木アメリという二人の女優をフィーチャーした100分。劇団5周年、劇場10周年、CoRich祭り最終選考作とやたらに冠が多いのも、賑やかな物販などもイキオイ、という感じ。21日までシアター風姿花伝。

中学生の男たちどころか先生だってバカばっかりで疲れると思ってる中学生女子・ユキ。口なんか聞かずに過ごしてきた。ある日、転校生・サチがやってくる。自分と同じ漢字の名前だけれど、なにもかも対照的で、男たちにも優しくて、あっという間にクラスの輪の中心に居るようになるのがどうにも気に入らない。ずっと見ている「右の頬を叩かれたら左の頬を出しなさい」とずっと繰り返している男が出てくる不思議な夢の中にも、その気に入らない転校生が現れる。仲良しになんか決してなれないと思っているが、周りはなんとかして仲直りさせようとあの手この手を尽くす。

ずっと無口で殻に閉じこもる感じだったユキと、人とすぐにうちとけて、人の幸せこそが一番と心底考えているようなサチのコントラスト。水と油な感じの二人を仲良くさせなければ地球は崩壊するのだという無茶な設定の中で、さまざまな「イケメン」たちがあの手この手の大騒動、という感じ。物語の収束点はまあ、結局O.ヘンリー なのだけれど、着地点が重要なのではなくて、その過程での男たちの中二的なバカ騒ぎの膨らませ方こそが、おそらく劇団の真骨頂なのでしょう。一つ一つはコネタなのだけれども、ばかばかしさと、スピーディな見せ方は過剰なほど徹底していて、若い劇団のイキオイが存分に詰め込まれていて、人気があるというのはよくわかるのです。

テーマパークでのパレードのスピード感なネタがけっこう好きなのです。あるいは退院する男を待つ女など前半は詰め込まれたネタと物語の精度が結構ある気がするのです。が、そこから殴られたら殴り返すいったぐあいの素直な反応を「なるほ度」という単位で持ち出してきて、その数値が上がりすぎると地球が破滅するから、数値を下げるためには文脈とは関係ない唐突なことをするというのが中盤の大騒ぎを支えるのだけれど、そもそも、このルール自体がグダグダでどういうことなのか今一つわからないのが惜しい感じ。「ふつうではない反応が善」というルールが「仲直り」のベクトルとは無関係な感じになっていて、肝心の仲直りの話が中盤ではどこかにいってしまう感じがするのです。ここの精度がもうちょっとあると、俄然面白くなると思うのです。

鈴木アメリはブリブリな造形に、パワフルで快活さのパワーのコメディエンヌぶり、邪険にされながらも兄ちゃんについていく妹、みたいな可愛らしさがあったりしてきっちりヒロインを。もう一人のヒロイン、二階堂瞳子を役者としてみるのはずいぶん久しぶりな印象もありますが、きっちり研ぎ澄まされた動きも、つか芝居ばりの台詞の正確さもきっちり作り込まれていて強烈な印象を残します。アタシはこの二人の対決の前半が好きだなぁな、オヤジなのですが。男性の俳優たちもきっちりカラダが出来ていて、そういう意味で疾走するパワフル、というのは早稲田劇研の伝統だよなぁと思うのです。

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2013.04.16

【芝居】「DOLLY ~Faure:Dolly,op.56~」年年有魚

2013.4.13 19:30 [CoRich]

初のオール女性キャストによる10人の芝居。タイトルの連弾曲で繋いでいく、どちらかというと実験的な85分。21日までRAFT。

女たちが集まっている。ピアノを弾いてみたり、友達の誕生日のサプライズについて話したり、旅行のことを話したり、猫の写真をスマホで見せたり、化粧水のことを話したり、恋人のことを話したり、とにかく話してる。

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【芝居】「かしましく」はぶ談戯

2013.4.13 17:00 [CoRich]

名前はよく耳にするものの、きっかけがなくてアタシは初見の劇団です。14日までゴールデン街劇場。70分。

女三人が呼び出された個室。隣の部屋はどこかのセミナーの声がうるさい。ヒドい別れ方をした元の恋人から、自分のいいところを語ってほしいといわれて集められたが、その当の男はいつまで経っても現れない。気まずい雰囲気の中、他に話題もみつけられず、男のことについて話し始める。

一人は未だにネットアイドル的なことをしていてそれなりに人気があったりもするが自覚に欠けて男に再会したいと思うアラフォー女、幸せな結婚はしているけれど、あのときの酷い仕打ちを恨みに思って吐き出したいアラサー女、まだ別れたばかりなのだというアラハタ(..っていうのか、アラウンド・二十歳ね)女というバラバラな世代の女たち。一人のだらしなくてもてる男の陰で泣いた女たち。しかし卵料理が好きなお子様舌だったり、ゴミを捨てに行ってくれるというだけでもうれしく思うとか、些細な幸せもちゃんと覚えている女たちの想い出語りという体裁で進む物語。

終盤に至り、そのうちの一人の「つきあってる」というのはオンラインゲーム上だけでリアルに逢ったことはない、という物語の一工夫、あるいはアラフォーがキャピキャピ、アラサーが落ち着いた生活というキャラクタの作り方の工夫はあれど、全体の流れとしては「好きな男語り」という直滑降なわけで、70分という短い時間の中ですら物語として少々停滞する瞬間があるのは否めません。初日とはいえ、セリフが滞る瞬間があるのも惜しい。

おそらくは等身大で描かれた上の二人と、聞き役としての若い一人を足したということなのでしょう。この若い女が突っ込む役どころになっているともっとダイナミックレンジが出てきそうな気がしますが、何せ彼女自身が惚れきってるというところですからそうもいかず、なかなか難しい。

アラフォー女を演じた水原香菜恵は、なかなかどうして可愛らしく。いや、本当の年齢は存じ上げませんが。痛々しさを前面に出した造型の役どころなのでちょっと損してる気がしないでもありませんが。

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2013.04.15

【芝居】「8畳」AnK

2013.4.13 14:00 [CoRich]

アタシは初見です。100分。14日までSTスポット。

この場所にずっと居る。あたしが主人公の物語のはずなのだけれど、たくさんの人が入れ替わり立ち替わりやっってきて、あたしが居る場所なのに、好き勝手にやっていく。ここにずっと居てはいけないということはわかっているのだけれど。

全体に白やページュのモノトーンに衣装や舞台に少しの差し色。25歳だという作家と演出家の描く物語は、社会になじめないけれど、外には出て行かなきゃいけないという焦り。引きこもりの話を描くにしても、男だとその恥ずかしさが前面に出る感じなのだけれど、女性が女性を主人公にして描くと、コミュニケーションを取りたい(あるいは取らなければいけない)というところがスタートになる印象なのは新鮮。

現実なのか夢のようなものなのかはよくわからないけれど、閉じた世界の筈なのに、あれこれ入ってくる人々に焦らされる主人公。友達のような、そうでもないような、さまざまな人々。当日パンフには核となる何人かと、ほぼネタとして一瞬現れるだけのキャラクタに至るまで100近いプロファイルがタグクラウドよろしく大量に並んでいて(この当日パンフの見せ方は巧いと思う)、その通り過ぎる人々を横目で、少々苦々しく思って傍観している主人公、という感じでしょうか。

(ガンダムやらエヴァやらの)パイロットという仕事だけに打ち込んできただけという女が友達の弟(しかも彼女が居る)に一目惚れしてメロメロに溶けていくシーンが好きです。あるいはライトノベル作家の女二人の恋愛感覚直前の距離感の危うさというシーンもちょっと似た感じ。このエピソードにわりと多くの時間が割かれていて、物語のというよりはそれをおそらくは実感として感じられる若い女性の作演が作り出した「そういう雰囲気」ということにパワーがある感じがします。この部分の物語で描かれる気持ちの(どこにでもありそうな)普遍性はもちろんあるのだけれど、そのどこにでもありそうな話を舞台に乗せてなお瑞々しく作り出せるのは、地味ではあっても、若い彼らの身の丈で自身に向き合って紡いでいるからだと思うのです。それはもしかしたら今、この瞬間しか作れないものなのかもしれません。

あるいは主人公を名乗る女、引きこもっていて鬱々する感じもアタシの気持ちをつかんで離しません。彼女たちの年齢の倍近い頃になって考えるアタシもどうかしているけれど、ずっとここでくすぶるのか、休みは終わりだよ、と告げられるあたりがなんか実に今のアタシの気持ちに寄り添ってくれるようなのです。

正直に言うと、エンタテインメントを意識しているというよりは、作家のだらだらと思索したり思ったことに付き添ってあるいているような感覚で、それを退屈だと感じてしまう向きもあるかもしれません。パッチワークのような断片を反復して見せるという体裁も、流行ではあるかもしれないけれど、どうにも好きになれない、という感覚はアタシ自身がよく持つ感覚。それでも、今作がほんとうにほんとうに愛おしくてならない感じなのは、テクニックとか手法とかのためにするのではなく、語りたい感覚がしっかりと作家にも演出家にもあると感じられるからなのです。

引きこもっている女・主人公を演じた土井玲奈、鬱々と拗ねたような感じなのも、終幕で前向きに歩きだそうという美しい笑顔も、地道にしかし実に印象的なのです。戦闘機のパイロットで恋に溶ける女を演じた荒弓倫の静かで安心しきった表情にキュンとします。片腕がサイボーグだという無茶ぶりな女を演じた竹川絵美夏のすばしっこい感じ、一升瓶をかかえてたり萌えヲタだったりを存分に作り上げた多賀麻美も、たった一人の男性だけれど、どこか中性的な印象を残す大柿友哉もいい印象なのです。

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2013.04.09

【芝居】「サブウェイ」極東退屈道場

2013.4.7 17:00  [CoRich]

2011年初演でOMS戯曲賞受賞作の三演め。地下鉄の通ってる都市(のいくつか)を巡るツアーで、大阪公演の後、7日までの東京・王子小劇場のあとは札幌、仙台、福岡。110分。

すし詰めの車内、地下鉄という狭くて暗い特異な空間に乗っている人々。公的機関として運営されるのがほとんどなのは、ある秘められた目的のためだという秘密を暴いた映画が公開される。

黒一色のシンプルなセットに、客席後方左右から舞台中央奥に向かって貼られた二本のロープが地下鉄のトンネルっぽい感じ。ベージュ系で統一された衣装、短いシーンの間をつなぐダンス、一つ一つの物語は、地下鉄を使う人々の生活、考えていること、経験したこと、感じた理不尽、やってしまったことなどをさまざまにアソート。それぞれの物語には緩やかには繋がるものの、全体で大きな物語を構成するには至りません。

劇団の動画でも流れる低音のリズムが、地下鉄の中にずっと流れ続ける音のようでもあり、物語の重要な要素でもあり。かつてのシベリア少女鉄道のような鮮やかなオチが圧巻。

もっとも、そこで物語は終わらず、作家は神が7日間で世界を作った物語が、日曜日で終わらず、更に月曜日がやってきて、いつもの日常、地下鉄の日々が戻ってくるのです。関西の劇団ですが、アタシの苦手な京都演劇学派ほどには難しくなくて、大阪の気安さにスタイリッシュのバランスがいいのです。大阪の地下鉄事情に詳しければ、路線や駅それぞれの特性で登場人物たちを語るやりかたがちょっと面白いんじゃないかと思うのですが、そこまでは踏み込めないアタシは残念無念。

TSUTAYAでDVDを大人借りするナースを演じた、ののあざみが圧巻で面白くて強烈な印象を残します。あるいは図書館司書、おじいちゃんたちの相手の疲れる感じを演じた井尻智絵は、終盤のオチを間断なく流れるように落としこむちから。ビルの中で配送している女を演じた中元志保、田舎にはイオンが中心なんだ、都会に出てきたけれど近くの小さなイオンに行くと安心する、という台詞に込められた安心感が。

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【芝居】「ブラック・サバンナ」世田谷シルク

2013.4.7 13:00 [CoRich]

世田谷シルクの新作。115分。14日までアトリエ春風舎。

混乱の中、何がどうなったのか判らないまま、互いに殆ど知らない人々が川の近くに放り出される。小舟に乗って人々は徐々に集まり、小さなコテージを見つけて生活を始める。忍び寄るのは、噂の「来訪者」の姿か。

SF仕立ての枠組みに印象的な群舞を組み合わせ、ある種の極限状態の中で、生きることあるいは生きるために命を奪い食べることを描きます。そういう意味では世田谷シルクらしいアイテムがぎゅっとつまった一本になっています。シーンを細かく組み合わせていき、モザイクから徐々に浮かび上がるように全体像が見えてくる前半の見せ方の軽やかな巧さ。対して後半物語の描き方はある種の固さが残るような気がしないでもないのですが、作家の「命」に対する思索の整理されない感じが実は荒削りなままそこに置かれたようで、実はちょっと興味深い感じもあります。

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2013.04.08

【芝居】「少し静かに」ブルドッキングヘッドロック

2013.4.6 14:00 [CoRich]

ずいぶん久しぶりに拝見する気がします。ブルドッキングヘッドロックの新作。劇団としては初めて演出を主宰の西山宏幸というのも見所な85分。10日までスズナリ。

映像製作の小さな会社。結婚式のビデオ撮影・編集などを細々と続けているが、 大学卒業後に一緒に会社を立ち上げた男は別の仕事が入るようになり、制作を担う女はキャスティングの仕事で忙しくなり、一人オフィスにこもりきりがちな男はまだ芽が出ない。夜中にオフィスの机の上で一人マイクに向かいだらだらとしゃべり、隣室の男の部屋に仕掛けた盗聴マイクを流したりするwebラジオをすることが楽しみだが、リスナーは一人も居ない。
別の部屋、女の一人住まい。芽が出ないバンドを30過ぎても続けているが、メンバーが抜けて活動らしい活動が出来ない。清掃のバイトには入ったが、リーダー格の年下の女がどうにも苦手。子持ちで別居中の女や話しやすい男など、仲のいい人も出来て。

若くはない男、才能はあるけれど、表にでないから芽が出ない感じの鬱々。あるいは自身にはあまり才能も続ける気力もないけれど、バンドを続けたいという気持ちだけはある若くはない女を核にした町の物語。

言葉か、何かを発すれば、それは伝播し、「同期する」誰かに必ず届くはずというシーン。それまでの物語のリアルな感じから、唐突に強烈なファンタジーが紛れ込むことに戸惑う感じはあるのですが、発した言葉、発した何かが伝わるのだ、ということをwebラジオ(アクティブな反応がなくても聴いている人が居ることはわかる、という特性を巧く生かしています)というメディアを通して描くというのは新鮮な描き方です。

正直に言えば、物語に対して、登場人物が少々多すぎて、相当な役者だってごく勿体ない役割しか担っていないうえに、物語の濃さの割に時間が長いという感じは否めません。もっとも、二つの舞台を直接繋ぐ人物を頑固なまでに置かず(ふつうの小劇場では、世間は驚くほど狭くなりがちなのに)、しかしそれでもその二人はもしかしたらつながる瞬間があるのだ、という「奇跡」にも似た感じは、確かにこの人数があってこそ。「伝播する感じ」のある程度の広がりがほしかったのだろう、という気がします。 足踏みならしたり、セピアに色の抜けた雰囲気など転換のバリエーションがおもしろい感じはあるけれど、いくつかのパターンが混在することの法則が見えないことも少々戸惑うのです。

帯金ゆかりは、今までに観たことのないほどに暖かく包み込むような女を好演。豊かに優しさが滲むようで印象的。津留崎夏子は、こういうちょっと地味めなメガネの役がよく似合います。終盤の豹変もまた怖いぐらいに楽しく。劇団以外で拝見するのは初めてかもしれない根本宗子は、若くて、ずかずかと悪気無く踏み込む感じ、大人はそういうことを殊更に口に出したりはしないのだ、という鼻っ柱の折られ方は、大人の作家の語り口をきちんと体現。

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2013.04.06

【芝居】「篠原木工所の夜」菅間馬鈴薯堂

2013.3.31 19:30 [CoRich]

村上春樹の短編に着想を受けた70分、4月3日までワンズスタジオ。公演後に併設されたカフェを使っての劇場誰でも参加可能な打ち上げが設定されていますが、高速バスがギリギリで走って帰って残念無念なアタシです。戯曲の無料公開の心意気もそのままです。

村上春樹の短編(私は未読)からの着想という短編集だけれど、単に別々の話にしているのではなくて、篠原木工所という場所につながる人々(など)という大枠にしてパッケージ。単なる短編集より、これを一組にして見せるという意味が出てきます。ちょっとした気遣いというレベルではあるんだけれど、それをするだけで、観客の気持ちはずいぶんと楽しくなるのです。

今作に限らないけれど、女性の台詞の言葉遣いがこの作家の特長なのです。断定口調や書き言葉を多用して、女性が発語するときの特有の語尾を極力省いている印象。性差を無くしてニュートラルに描き出そうという意図なのか、あるいはむしろ女を強く描きたいという意志なのかは明らかではありません。アタシは前者だと思うのですが。

おそらくは行き遅れて弁当を自分の分だけの弁当を毎日作ってくる40の女たちの日常な会話、それは時に夢の話なるようにあけすけで、時に近所の総菜屋弁当の話にあるように少しのスパイスで。まだ閉じる気はないけれど、だんだん静かに慎ましやかになっていく女たちの姿。アタシは男だけれど、静かになっていくのだ、ということは共感する感じが強いのです。

馬鈴薯堂ではあまり見かけない感じの、スーツ姿の二人の男の会話。 仕事の現場、その現場をみないで数字だけをみている(監査)と、現場に通い希望はあるのだという融資の埋まらない溝の深さ。世知辛い昨今だからこそ、大小の差こそあれ、そこかしこにありそうな風景。数字をしっかりとみるのも、しっかりと仕事しているものを支えたいという融資も、互いにぶつかり合う、ある種の心意気でもあって。その現場がまたかっこいい。(下町の)町場の工夫の心意気、それを信金が支えずしてどうする。そこに重なる音楽、俺は何者だという叫び。もう意味不明だけれど、なんか泣けちゃうのです。

あるいは、
40女ふたりの強さ、そこから出落ち感めいっぱいな生物。体力勝負といえばそうだけれど、そういう不思議なるモノが唐突に現れるファンタジーの味わいがちょっとすてきなのです。 シャドウボクシングよろしく戦う河童を演じた瀬戸口のり子、たしかに小動物っぽい感じもあって。

あるいは、
兄弟二人の静かな会話、次男の報告に喜ぶ長男、プレミアムビール買ってこいという台詞がいい。そこからのこちらも目一杯な出落ち感。強引ともいえるやり方のファンタジーが楽しいし、それを圧巻の説得力で寄り切る稲川美代子が実にいい。東京を果たして救えるのか、ということは実はどうでもよくて、この小さな場所で、東京を救うという相談をしているのが微笑ましくもあって、楽しくもあって、つまりファンタジーなのです。 そこからのダンスナンバーがまた凄い。それを踊りきる稲川さん、大丈夫かしら、と勝手に心配したりもして。

あるいは
夫婦とも親子ともちょっと違う感じの、しかし無駄なように見えるゆったりとした時間の流れ。洗濯物、寝転がる感じが実に「実家」っぽくていいのです。

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2013.04.04

【芝居】「従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインがブルシーロフ攻勢の夜に弾丸の雨降り注ぐ哨戒塔の上で辿り着いた最後の一行“──およそ語り得るものについては明晰に語られ得る/しかし語り得ぬことについて人は沈黙せねばならない”という言葉により何を殺し何を生きようと祈ったのか? という語り得ずただ示されるのみの事実にまつわる物語」テアトル・ド・アナール

2013.3.31 15:00 [CoRich]

谷賢一の個人ユニット二回目の公演。男ばかり5人でエンゲキの企みが濃密に詰まった100分。7日までアゴラ劇場。

オーストリア軍、劣勢の戦線の営舎。遠く離れ会えなくなっている親愛なる友人への手紙の返信はないままだが、同室の兵士たちは同性へ手紙を書く男のことをはやし立てる。ひどい状態の戦争。神は居るのか。

何事にも浅学なアタシの中でも、哲学は学校の教養課程ですら触れたことのない、完全無菌状態な分野。 名前だけは最近よく耳にする気もするウィトゲンシュタイン。従軍中にしたかもしれない思索を描いてみせるような描き方なのだけれど、wikipediaを読みかじると、この時代ではない彼の考えを描くようで、現実の枠組みを借りながらも、自在に虚構を組み立てる作家の企みが実におもしろいのです。

ネタバレかも。

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【芝居】「つちのこ」青年座

2013.3.30 14:00 [CoRich]

太田善也の2010年初演作の再演。アタシは初見です。休憩15分を挟み150分。3月30日まで亀戸文化センター・カメリアホール。4月上旬に北海道各地の公演があります。

岐阜の山奥の旅館。東京の大学を卒業して戻ってきて役場に勤める長男は3年越しの恋人に結婚を申し込む。母親が営む旅館に客が訪れることはまれになっていて、この村はゆるやかに過疎が進んでいる中、寺の住職は観光を目玉にして活性化を図ろうと考えている。
ある日、長男と親友二人は、町からの不法投棄を見張るためのパトロールで捨てられたタンスの中から金の延べ棒を見つけ、三人で山分けすることに決めたとき、東京から若い女性が旅館にやってくる。それは長男の大学時代のサークルの友人だった。

太田善也にとっては手慣れた感のあるややコメディ仕立てのウエルメイドを青年座の役者たちというマッチングの良さ。 田舎で生きていることの不満というか物足りなさ、ひとときを過ごした東京という刺激的な場所を忘れられない男。延べ棒という大きなチャンス、そこから友人すらも裏切れとそそのかす若い女は、創世記の蛇にも見えて、つちのこ、というタイトルが巧い具合にはまります。迷う男の姿をことさらに責めるではなく、東京からの女の側をきっぱりと切り離そうという母親というくだりが実にいいのです。

この地方と東京の間で揺れ動く男の物語を中心に据え、その外側に、金の延べ棒を隠し通そうという3人と村おこしをしようという人々のどたばたを描きながら進む物語。老人が口癖のようにいう「身の丈にあった」生き方を越えようともがく姿の悲喜劇。

東京からの女を演じた小林さやかは、キュートでしかも魔性という説得力。物語は人を信じられなくなったという造型でこのキャラクタに奥行きを与えています。母親を演じた増子倭文江は、のんびりしているようでいて子供や人々に目を配りつつ、家族をしっかりと守るかっこよさに痺れます。祖父を演じた名取幸政は、少々卑怯な造型ではあるけれど、「身の丈にあった」ということを繰り言のように云うという物語の根幹を支える説得力の風情が好き。長男を演じた石母田史朗の「まだ何者にもなれない感焦り」が実にいい感じ。親友二人を演じた山崎秀樹・高松潤とも、どこか中二っぽさな成長しきれない感じがじつに愛らしい。

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