【芝居】「DOLLY ~Faure:Dolly,op.56~」年年有魚
2013.4.13 19:30 [CoRich]
初のオール女性キャストによる10人の芝居。タイトルの連弾曲で繋いでいく、どちらかというと実験的な85分。21日までRAFT。
女たちが集まっている。ピアノを弾いてみたり、友達の誕生日のサプライズについて話したり、旅行のことを話したり、猫の写真をスマホで見せたり、化粧水のことを話したり、恋人のことを話したり、とにかく話してる。
ネタバレかも
女たちが集まり、さまざま話すというフォーマットどころか、ほぼ全体に台詞も変わりません。役者はどこにも10人出ますが、役割はそれぞれローテーションしたり役割がシャッフルされたりします。一本目はストレートに、二本目はどこかよそよそしいというか冷たい感じ、三本目はコミカルを強調して、キャピキャピした感じ、四本目は影絵のように見せて誰が誰やら、五本目は一本目のリフレイン、という感じ。
当日パンフによれば、作家は女性たちの会話を端で聞いておもしろく感じていることを表現したいのだといいます。情報を共有といいながら自分の情報とすりあわせ、時に思いこみで成立させ、円滑なコミュニケーションをしたという事実こそが大切なのだ、というのです。もっともそれを女性固有の、というのは少々行き過ぎな感じがしないでもありませんが。男だって人によるよな、と思ったり。
同じ台詞でも、云う役者を変えたり役者がいう台詞の組み合わせを変えたりという変奏で、雰囲気が変わっていくということのおもしろさを描きたいということはわかるし、いいポイントをついているとは思うのだけれど、その面白がりポイントは実に細やか、というよりは些細で、もうすこし補助線がほしい感じがしないでもありません。結果、アタシの友人が云う(もちろん作家の意図ではないし、私たちだってそうは思ってないけれど)「女の会話はこんなもの」という印象が出てきてしまうのは少々惜しい感じがします。
年年有魚の常連女優ばかりで、そういう意味ではキャラクタが鮮やかに変わっていく感じはおもしろい。特にコミカルを強調した三本目では、甲高い声で早口でしゃべるようなキャラクタができる役者ばかりではないけれど、それを徹底したのは緩急がついて見やすい。辻川幸代はさすがに厳しい感じは否めません(失礼)が、それでも押し通したのは正しい選択だと思います。二本目ではあとから来る二人、大塚あかねの口をへの字に曲げた感じ、松下知世のつっけんどんな感じがちょっとおもしろい。
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