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2013.03.03

【芝居】「ギプス不動産」あひるなんちゃら

2013.3.1 15:00 [CoRich]

気楽に笑えるけれど、きっちり作り込まれてるあひるなんちゃらの新作70分。3日まで駅前劇場。新たな試みとして毎回の公演の音声を収録してその場でMP3ファイル販売(500円)。Twitterやブログに書き込むなら申し出ればバッチを貰えるというのも嬉しい。

病院の喫茶室らしい場所。入院患者の男がどうにも気になる「ギプス不動産」なる謎。見舞いにくる友達や勤務先の人、医者、入院患者など。

一人をずっと舞台に置いて、おそらくは数日にわたる会話の断片。ギプス不動産の謎、入院する原因になったこと、入院している間の会社のこと、医者との会話、うざったい会話。

この週末、どうにも不足するコマに思いあまって有休を使ったアタシには、「金曜だよ、休めば三連休だよ」の気持ちにうなずいたり。あるいは入院中に気になる会社のこと、空回りするやる気なんてのは会社員ぽい感じではあるのです。そういう断片を盛り込みつつも、ありそうな会話を繋げていきます。大きな物語とか感動とは違うけれど、小さな物語に溢れている日常ってものが見えてくるよなぁ、って思うのです。毎回ですが。

正直に云えば今まで見続けてきた(が、今回は出演していない)役者数人が見え隠れしちゃうような感じがしたりはするのだけれど、実は役者のキャラクタではなく、役のキャラクタ、つまり人間のキャラクタを類型化してるのだな、と思うのです。よく云われるように、彼らは、実はユルく見えて、役者や演出の力量がハンパないから成立している(実は、作る側に立ったことのないアタシにはその技術的な凄さは、実感としてはよくわからないのですが)ので誰でもどこでも成立するわけではないとはおもうのだけれど、役者のキャラクタに頼ったものではない、というポータビリティがあるのだよな、と再確認するのです。もちろん、そこには方法論とかいろいろあるんでしょうけれど。

状況は正確に把握できるのに、会話のきっかけが明らかにおかしい女を演じた宮本奈津美が飛び道具なのに実にキュートで印象に残ります。姉を演じた伊達香苗が申し訳ないとおもいつつ、スイーツ(笑)を口にすると笑顔になるのがちょっと好き。にしても、公演期間が短いからできる技ではあるのだけれど。妹を演じた三澤さきが首を傾げて「エロいことですか?」と訊いてくるシーンに喜んでしまうオヤジなアタシです。三瓶大介は前々回に続いて抑えた(しかし頭おかしい)役が安定しているのがいいなと思うのです。

おそらく芝居では初めて目にする、「ライブ録音MP3販売」。楽曲がオリジナルだから成立させられるというのも、彼らの強み。ファイルに500円という値段は微妙な線ではあるのだけれど、帰宅の途中、電車で立っていたってその気持ちを反芻したままもって帰れるのはとてもいいなと思うのです。マイクの仕込まれた位置ゆえか、机に腕をたたきつけるシーンでマイクが飽和してしまうのはご愛敬。ビデオが撮れるんだから、実はカメラと同じような位置にマイクを置いたって大丈夫だと思うのです。MP3のIDタグつけておいてくれると嬉しいんだけどなぁとか、購入者のiPhoneにその場でMP3を送り込む安全な方法がないのはもう少し研究の余地ありではあるのですが、会話や物語の面白さで勝負する劇団なら、ぜひともやってほしいよなぁと思うのです。(DVDから音声だけ抜き出すって手もあるんですが、リッピング違法な昨今、今更イヤホンジャックからってのも、ねぇ。)

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