【芝居】「サロメvsヨカナーン」FUKAIPRODUCE羽衣
2013.2.10 14:00 [CoRich]
「妙―ジカル」を上演する団体、本公演としては初めて拝見します。サロメを原作に取りつつもほぼ、男女の出会いと日常を描く120分。11日まで東京芸術劇場・シアターイースト。
パブの男たちは、街を歩く女を見定める。出会う女、男。セレブだったり夫婦だったり、年上の女と若い男だったり、疲れたオジさんとあまりに若い女だったり、この街のスターだったり。
雨のモチーフに飴をつり下げられた舞台。最前列なら自分の上にも雨が降るかのよう。 七枚のベールを意識してか、7組の男女で、そのカップルもサロメvsヨカナーンでさまざまなシーンを組み立てていきます。コミカルなシーンがありつつも、基本的にはこの二人がなぜ一緒に居るのかを色んな角度で組み立てていく感じ。
恋心と交わることの境界線の曖昧さ、それを忘れてしまった夫婦だって、なにかのきっかけがあれば男女に戻ったり、もうすっかり恋を諦めていたのに、意を決してナンパすれば信じられないぐらいに若い女の子とボーリングに行ったり、もっとあったり。あるいは若い男を叱咤しつつも溶け合ったり。ミュージカルに仕立てているのが巧く効いていて、今となっては(泣)ファンタジーにしか思えないことがリアルにあった、あるいはあるかもしれないということ。気持ちが押し寄せてくるのです。
オジさんが若い女とボーリング、という「遠い日の花火ではない」シーンはあきらかにファンタジーだけれど、アタシにとってはなんかそのオジさんが一番近いわけで、そこになにかを投影してしまいます。これだけカップルがあれば、そのどれかにはフックする気がします。隣に座った見知らぬ女性は序盤から音楽がかかれば泣いてたりと、確かに気持ちを揺さぶられる気がします。
そう、音楽の力ってのはたいした物で、それに日本語の聞きやすい歌詞を乗せるというのも楽しい。終盤30分からの歳を数えながら生きていく人々のナンバーが実に味わいもあって楽しげで印象に残るのです。ゾロ目とサロメをかけたりしつつ、「一人ぼっちよりも、マシだから愛してる」という強い歌詞が印象に残ります。正直にいえば、たとえばリズムやビート重視のナンバーだと維新派な感じだったり、あるいは打ち込みで作られたであろう音楽の音がやや安くて(いや、よくわからないんだけど)必ずしも効果を生まない感じがする違和感。もっとも、繰り返し観ていけば、それはたいした問題ではない気もします。
圧巻なのは、奥さん(のサロメ)を演じた大西玲子の母たる強さと忘れていた女に戻る少しばかり恥ずかしく、しかし上気するような表情の豊かさ。終盤の一曲の母を見送る歌も実によくて。オジさんに出会う若い女を演じた鯉和鮎美の可愛さ、そこからの少々幼くも大胆な色気。
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