【芝居】「ネコの星」まつもと市民芸術館・TCアルプ
2013.2.7 19:00 [CoRich]
2012年3月上演の世界の児童文学発掘プロジェクト『ネコの星』を再演。10日までまつもと市民芸術館・小ホール。120分。
港町、ネズミの親分は知恵と勇気で伸していて、ネコも犬とも対等にやりあっている。忌々しい敵を殲滅し人間にエサを貰うようになろうと考えて、親分は海の向こうにネコペストを手に入れに旅にでる。果たして手に入れるものの、計画は失敗してしまう。その復習を図ってネコに罪をかぶせて人間の手によってネコたちは樽に詰められてしまう。
ストリートの女、ギターを弾く男に効かせて貰う話、明るいガス灯に寄り添った小鳥・チビ星は月に、そして太陽を求めて奔放に。
三匹の猫とネズミたちの物語、その町に居る若い女が様々な人に訊いてまわる「ちび星」の物語の二つの物語を細かい断片にわけて平行して進む語り口。 ストリートな若者たち、といういでたち、イキがる若い男たちがじゃれ合うように、ネコの仕草になる序盤、ネコを人間が演じるというおかしさはともかく、さっきは人間だったのにいつのまにかするりとネコになっているのは、芝居だからこその楽しさに溢れます。時にブルースなど音楽を交え、時にコミカルで、ストリートをめぐる動物たちと人間たちの物語の並行する物語は緩やかで楽しいのです
正直にいえば、全体のリズムが人間のパートも動物たちのパートもリズムが同じようになっているせいか二つが解け合ってしまって、序盤、少々飲み込むのに手間取るアタシです。緩急があったりすると見やすさがぐんとアップしそうな気がします。
ネタバレかも
ネズミの親分が進入する海の向こうの研究所のおぞましい感じ、あるいは戻ってきてから死んでしまったりと、物語の雲行きがどんどん怪しく不安になる感じがします。津波を巡る描写は原作があるから変えるわけにはいかないのだろうけれど、今の私たちにとっては、そこを襲う悲劇をリアルとして感じてしまうために、物語が負けてしまう感じがあるのはもったいない。
終盤にいたっての、転換の鮮やかなこと。「塔の女」が居る場所、つまりの純白さは、しかしストリート生まれのネコたちにとって戻る場所というのは、ちょっといい感じなのです。
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