【芝居】「『くじらのおなか』改め、『ポテサラ パニック ピクニック パーティ』」ぬいぐるみハンター
2013.2.9 16:00 [CoRich] ぬいぐるみハンターの劇団員だけで60分。当初のタイトルから変更して。10日まで荻窪小劇場。
大学のピクニック部が町を見渡す丘にやってきた。楽しげな一行だが、一人無口な男は久しぶりに参加する。その男のために全員がポテトサラダの弁当を作ってきていたりするが。
素舞台に劇団の役者5人。大学生の楽しげなピクニックの裏側にあるそれぞれの気持ち。もうすぐ社会人になる不安、恋する心、焦る心、あるいはトラウマや絶望のないまぜ。時にミュージカル、時に個人芸に近いギャグを織り交ぜながら、濃密にそういう若者の空気を作り出します。
物語そのものは、ありえないほど、少々のご都合主義も含めててんこ盛りで現実感は薄くて四コママンガのよう。しかし、そこに生きている人々の気持ちを描き出すちから。今までの彼らの代名詞である、子供の頃に感じる寂しさだったり楽しさだったりということを一歩進めて、大人になる直前の若者の気持ちを描くことが真骨頂なのだと思うのです。
神戸アキコの個人芸に近いぐいぐい押すようなおばさんキャラは圧巻の安定。自転車に乗って通勤と云うだけの短い話題を、延々かけて話すというネタがおもしろい。浅利ねこはここ数作でメキメキと力をつけて来た感はありましたが、今作でも安定した魅力。歌もちょっといいのです。
作家は当日パンフで「寄せ集め素人集団を抜け出して、僕らはちゃんと劇団としてリスタートします」という言葉が実に頼もしく感じられる一本なのです。
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