【芝居】「ZIPANG PUNK ~五右衛門ロックⅢ」劇団☆新感線
2012.12.30 14:00 [CoRich]
石川五右衛門が死んでいなかったら、でスタートしたシリーズ公演の第三回。20分の休憩を挟み480分。1月27日までシアターオーブ。渋谷ヒカリエ11F)。
秀吉が天下統一を果たした時代。空海が開いたという寺に伝わる黄金の仏像を狙う若い女盗賊と石川五右衛門。盗賊目付との丁々発止のあげくに盗み出した黄金の仏像そのものはガラクタだったが、空海が持ち帰った大量の黄金のありか暗号で記しているのだという。
秀吉は朝鮮出兵のために必要としていた多くの資金を、貿易の権益と引き替えに商人たちから得ていたが、限度を超えてきていて不満がたまっていた。朝鮮出兵のタイミングを狙い、堺の豪商は南蛮人の貴族や商人たちと組んで反乱を起こす。南蛮人たちもまた、黄金の仏像を狙っている。
ミュージカル専用と謳われる劇場らしく、シンプルなストーリーに音楽めいっぱい。フライングや扇型に開閉する壁、舞台左右に設置された画面などを多用して見た目にも鮮やかで、気楽に楽しめる一本なのです。
遊び、と称して戦に明け暮れ、その費用を民間から搾り取ろうなんてあたりは薄っすらと今の日本の姿に重なって見えたりしないこともないのだけれど、まあ、そこに深入りするよりはおなかいっぱいになるほどに濃ゆいメンツの時に馬鹿馬鹿しく、明るく気楽な話しに乗っかるのが吉。
あくまで真ん中でどっしり、動かなくたって居るだけで大盛り上がりという古田新太がもちろん楽しく、キャンキャンと跳ね回るように元気目一杯な女盗賊を演じた蒼井優、作り物っぽいキメキャラという盗賊目付を演じた三浦春馬、反乱を企むヒールが新鮮な印象な村井国夫、どこまでも狡猾でしゃれっ気のある秀吉を演じた麿赤兒と行った具合に、バラエティがいっぱい。主演陣を支えているのは新感線の役者たちだけれど、それぞれにもしっかり唄も見せ場もあって、まるで顔見世興行のようでもあります。
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