【芝居】「初雪の味」(会津編) 青☆組
2013.1.3 19:00 [CoRich]
新たなバリエーションの会津編。方言に書き換えてはいるけれど、台詞はほぼ変えていません。100分。会津編は6日までアゴラ劇場。
アタシとしては会津編の方がおもしろかったのです。理由はいくつかある気がします。青組としては見慣れない役者たちが演じることの化学変化のようなもの。方言もまた(たとえば青森の芝居に比べると圧倒的に「普通」の方言ですが)、両方に出ている羽場睦子や大西玲子のキャラクタすら変えてしまうような力(たぶん演出の違いもあると思うのです)。
こちらの方が、アタシには男性たちのキャラクタの輪郭が鮮やかで見やすいのです。たとえば叔父を演じた鈴木歩己は鎌倉編の家とともに枯れていきそうな雰囲気に比べると、移り住むアパートにまた、この兄弟たちが毎年訪れそうな雰囲気があります。そういう意味で家はなくなっても未来を感じさせるということの明るさがアタシは好きなのかもしれないのです。
あるいは長女は鎌倉編では福寿奈央のどこまでも明るい妹キャラ(お節を勝手にカレーに作り替えてしまうことの説得力)に対して、何かを抱えていそうな会津編の木暮智美は、母親に何かを聞いてほしくて訪れるシーンが実によくて。
両方に出ている羽場睦子は鎌倉編では上品で、母親なのに娘のままという色っぽさ。対して、会津ではきっちり母親、ここに居て、子供たちの活躍だって悩みだって受け止める力強さを感じるのです。あるいは近所の医院に勤める女を演じた大西玲子は優しさが勝る鎌倉に対して、次男に対してのちょっとばかり意地悪してやろう、という目線の強さが印象的なのです。こんなにもキャラクタが変わる、という意味で女優ってのは怖いなと、思うのです(笑)。
| 固定リンク
「演劇・芝居」カテゴリの記事
- 【芝居】「Venus誕生」劇団Venus(2025.06.19)
- 【芝居】「乱鴉傷(らんあのいたみ)」チリアクターズ(2025.06.19)
- 【芝居】「穴熊の戯言は金色の鉄錆」MCR(2025.06.18)
- 【芝居】「ソファー」小松台東(2025.06.10)
- 【芝居】「楽屋〜流れ去るものはやがて懐かしき〜」しがない会社員は週末だけヒロインを夢見る(2025.06.04)
コメント