« 【芝居】「スーパーマーケット三国志 決定版」ギンギラ太陽's | トップページ | 【芝居】「最後の晩餐」サンモールスタジオP »

2013.01.10

【芝居】「4Q」SCARLET LABEL

2013.1.6 14:00 [CoRich]

葛木英の過去の短編3作に新作ひとつを加え、成島秀和、山本高という二人の演出家の手による140分。 タイトルが一文字というもかつてのメタリック農家の雰囲気。7日まで711。

人魚と住んでいる人間。好き合って同棲のように暮らしていて働けない人魚のために日夜と働いているが、その外出の間、人魚は秘密を見つけてしまう。「泡」(1,2)
男は少女の人形と暮らしている。家では楽しい毎日だけれど、働きに出れば辛いことばかり。その想いが人形に伝わって「型」(1)
死のうという人を眺めるサークルのために集まった男女。その過程で死体を解体した犯罪の時効を祝って集まるパーティ。自身が自殺志願だったのに観察する側にまわった男「廻」(再演・未見)
津波が襲った町、建物は残ったものの、子供を亡くした母親は絵本を出版社に売り込んだ。編集者が訪れる。母親が描きたかったのは子供が好きだったものが溢れる絵本だったが、編集者はその母親が関わった、ひまわりを植える運動を描いて欲しいと思っていて「花」(新作)

「泡」は、三回目の上演。再演でも感じたけれど、初演で「ダメ人魚男」という希有なキャラクタを演じた板倉チヒロがこの物語をはっきりと支えていたのをはっきりと覚えています。昨日観た芝居だって怪しいアタシにしては、この印象は強烈です。猪股和磨はヤワな感じではあってもダメ人魚男には少々優しげなのが惜しい。健気な女を演じた小園茉奈は、真面目さまっすぐさが勝り、いままでのどれとも違う印象です。
正直にいえば、演出に違和感。時折はさまる音楽、タイミングも音量も違和感が強くて物語をぶつ切りにするように感じるのと、少々長くなっている印象も惜しい。

「型」もまた、初演でも板倉チヒロの印象が勝ってしまいます。それでも、櫻井竜はアキバ系に寄った造型で、これはまた違う印象。小山まりあの可愛らしさもいい。これもなぜか演出の違和感が残ります。決して初演の演出の記憶が強いわけではないのだけれどなんだろう。理由が整理できずにいます。

「廻」は初見です。自殺する人を観察するという、かなり悪趣味なサークルの人々の中に開いた一点のウィークポイント。堰が弱くなった場所から崩れていくのを防ぐように、弱い一人をどうにかしようと考えたのかどうか、しかし明らかに間違った方法でその弱い場所に礫を投げるような居心地の悪さ、理解出来ない人と友人になってしまって、しかもそこからは逃れられないということの絶望。正直にいえば、この居心地の悪さが、複数回の嫌がらせも含め延々続くというアタシも絶望しそうになります。時間も長い感じなのは、演出の意図なのか。アタシの疲労を考えれば、それは成功しているわけですが。

「花」は新作らしく、まさに、今の物語。津波に襲われたという町、居なくなった人と残された人と、それを巡る人と。花を植えること、あるいは仕事が出来るということだって、心を癒やすという、ごく当たり前のことを、丁寧に描いた印象。前の3作に比べれば、あきらかに穏やかな物語は作家の成長なのか、あるいはなにかの心境の変化なのか。
母親を演じた、ゆにばは、クロムモリブデンでの強烈な印象とはうってかわって、「生きている」母親の姿。そこまで泣かなくても、というのは演出の意図なのか。井上みなみが演じた妹はしっかり支える力強さが印象に残ります。

|

« 【芝居】「スーパーマーケット三国志 決定版」ギンギラ太陽's | トップページ | 【芝居】「最後の晩餐」サンモールスタジオP »

演劇・芝居」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【芝居】「4Q」SCARLET LABEL:

« 【芝居】「スーパーマーケット三国志 決定版」ギンギラ太陽's | トップページ | 【芝居】「最後の晩餐」サンモールスタジオP »