【芝居】「『ア・ラ・カルト2』―役者と音楽家のいるレストラン」青山円形劇場P
2012.12.15 17:00 [CoRich]
存続に揺れる青山円形劇場の人気企画。休憩15分を挟み25日まで。アタシの観た15日夜はゲストが池田鉄洋。
女が一人レストランを訪れる。待ち合わせの相手が来なかったのだという。一杯だけ飲んで帰るはずが「シャンパン・ピックミーアップ」
職場の人々との宴会、先に着いているタカハシと後輩、準備も交渉も終わって待っているばかりなのだけれど「フランス料とワインを嗜む会~暮れのみんなのまさかの事情」
マダムジュジュとゲストの会話「おしゃべりなレストラン」(次の芝居はここで渡した台詞を、という趣向になっています)
もんじゃ焼きから数えて3回目のデート、ちょっと張り込んだレストラン。若くはない二人なのでもう一歩踏み出せない「フランス料理恋のレシピ小辞典~恋と料理は好きじゃなかったら誘うわきゃない」
■休憩を挟んで(ワインの有料サービスがあります)■
ショータイム。♪El Tango de Roxanne ♪Them There Eyes ♪(ゲスト) ♪Maigrir ♪Alley Cat Song ♪On a Clear Day
老人ふたり、レストランで食事のあとのデザート。元気がない男を女が誘ったのだ「残された恋には~My Last Song」
レストランで食事を楽しんだ女、そろそろ閉店の時刻だけれど、飛び込んでくる男「エックス・ワイ・ジー~これ以上はない最高のクリスマス」
毎年毎年偉大なるマンネリを繰り返していくということの決意が見えるように、ほぼフォーマットが決まってきた感のある、新世代のアラカルト。家族の話をほぼそぎ落として、恋と男女だけに絞ったのが徐々に効果を生んでいる気がします。
「~ワインを嗜む会」は(前のアラカルトから引き続き)の唯一のキャラクタ、タカハシの会社での話。焦りまくり、それでも頑張り、それでもだめな七転八倒の姿。
「~恋のレシピ~」と「残されし恋」は年齢を重ねても、まだ、もしかしたら始まるかもしれない恋ということが実に素敵に。年齢を重ねてい
たらもうなくなるかもしれないと考えていても、でもときめくのは重要だよね。とウインクしてもらえる感じが心地よく。
ショータイムは、ジャズに勝手に訳詞をつけてという高泉淳子のお家芸。Them There Eyesを「ぜーん、ぜーん、ない」とか。休憩直後の一本はデキャンタージュして、赤ワインが「開く」のに時間がかかるという手間を逆手に取って、スポンサーのメルシャンの商品をCMのように入れるというのもちょっと面白い。
ア・ラ・カルトだって、KAKUTA( 1, 2)だって、MOTHERだって、完全円形という珍しさを持つ青山円形劇場はアタシにとっても重要な劇場の一つです。それでも、存続を巡っての署名はしていないアタシです。児童の遊戯を開発するという使命を帯びたこどもの城と、青山円形だけならばともかく青山劇場はシアターオーブがオープンするに至って正直にいってアタシには必要のない劇場になりつつあります。それを税金を投入して続ける覚悟が都民にも(東京に住んでいる)役者や観客たちにもあるのか、という点で疑問は残るのです。ならば、東京芸術劇場に円形を作れば良かったのではないかとも想いますし、小ホールをうまく使えばそういう芝居だってできそうなわけで。日本の経済は縮小していくことが決定的だと感じているアタシにとって、税金をここにも投入すべきということにはどうしても思えないのです。もっとも、長野県民のアタシには税金納めてすらいないのですが。
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