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2012.11.27

【芝居】「明るい家族、楽しいプロレス!」デフロスターズ

2012.11.23 18:30 [CoRich]

デフロスターズ名義での公演としては最後だといいます。ちょっとびっくりするぐらいにさわやかさすら感じるホームドラマ。110分。26日まで高円寺ラビネスト。

宮崎、プロレスのことで頭が一杯な小学生の家。祖父から土建業を引き継いだ父親は仕事にかまけて家をあけえ滅多に帰ってこない。その祖父は引退したあと、痴呆で入院している祖母のことを見舞い、毎日のようにこの家に姿を現す。母親は、祖母の病院に毎日通いながら、パートもこなし、プロレスに夢中な小学生の弟と、吹奏楽の部活で毎日忙しい中学生の姉の姉弟を育てている。

昭和な香りを漂わせる地方の家庭。たとえば東京に行きたい、たとえば引っ越してしまう友達と引き裂かれてしまう、たとえばカツアゲされたりするという子供ながらの限界な感じ。せりふで直接語られたりはしないけれど、大人になればもっと思い通りになるから大人になりたいと思ったあのころ。それなのに、大人になってみれば夫婦も親子も想いはあるのに、すれ違う気持ちだったりと、人生とはなんとままならないことが一つ処に並べられている幕の内弁当のような感じが、切なく、しかし面白いなと思うのです。

佐藤達演じる小学六年生は、ことさらに子供っぽいしゃべりというよりは、表情や仕草が絶妙で、体だって十分大きいのにちゃんと小学生。母親を演じた異儀田夏葉は若い役者ですが、なににも動じない、どっしりと皆に目を配るというまさにザ・母親をきっちり。祖父を演じた永山智啓は出落ちっぽく顔に「描いたり」していますが、間合いやとぼけた感じだったりと実にいい味わい。自転車の変速機の段数という一つの尺度だけでひたすらに話を進めたりするちぐはぐさがおもしろい。

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