【芝居】「傷は浅いぞ」柿喰う客
2012.11.17:00 [CoRich]
リバイバルプロジェクトとして、5年ぶり再演(初演 )。85分。11日まで東京タワー・フットタウン1F特設ステージのあと岡山での公演が予定されています。
メインの深谷由梨香以外の3人のキャストを若手に差し替えての再演。 初演とほぼおなじ体裁、斜めに切り落とされた大きな円柱の切り口が舞台。斜度がきつい八百屋舞台で、終演後に設定されたトークショーによれば人の生き様をスポットライトのように切り取るという意味の円形なのだそう。確かにいわれてみれば、芸能界を舞台にした生き様という「舞台」に上がる人々を描いているわけで、効果的な感じがします。更に東京タワーのお膝元、まあ芸能界に近い場所だというのもいいなと思うのです。
正直にいえば、天井が決して低くはないこの開場では出入りが少々ぎこちなくなるところは残念な感じがしないでもないのですが、それでも物語の強いテンションと、イキオイのようなもので一気に観せてしまう力は健在。今でもその片鱗はありますが、早口でまくし立てる強いテンションの芝居という意味で「つか芝居」っぽいという意味ではおそらく彼らのレパートリーの中でも随一。台詞ひとつひとつの重さではなくて、薄っぺらい台詞を大量に重ねて3Dプリンターのように厚みを作り出したり、現実とは乖離したフィクションとしての登場人物の切実さが核になるなど、つか芝居との違いもたくさんあります。
若い役者にはこういう芝居、実にプラスに働くのだよなぁと思ったりもします。この規模の舞台となるとそれなりに費用もかかりましょうが、芝居そのものの本質は、何もない素舞台でも堪能出来そうで、4人構成というミニマムということとあわせて、あちこちに持ち運び、ほんとに若い人々に観て欲しいなぁ。古い人にはつか芝居っぽい手触りと思えても、若い人だとまた違う印象かも知れない、と思ったりもするのです。(と、松本に来てくれないかとぼんやり思ったり思わなかったり(笑))
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