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2012.11.17

【芝居】「おじクロ」ラッパ屋

2012.11.10 14:00 [CoRich]

ずいぶん久しぶりに拝見する気がします。120分。18日まで紀伊國屋ホール。

町工場、親友だった二人は社長と副社長になっている。副社長の家はもともと広くて、会社の社員寮にしている。副社長の娘は独り暮らしていたが戻ってきているが、デザインの仕事で一度叱られてから会社に行っていなくて、取引先の男が見舞いに訪れたりしている。
近所の工場も会社を辞めていたりする。この工場にも景気の荒波は否応なく押し寄せてきている。

ずいぶん久しぶりに拝見したので、最近の様子はわからないのだけれど、アタシにとってラッパ屋といえばバブルの余韻がのこるような、つまり90年代後半からの雰囲気を存分に、という印象の劇団。役者だって年齢を重ねていて、この国だってずいぶんと厳しくなりつづけていて、ということを背景にしているのは珍しい感じがします。それでも、格好良くはないオジサンががんばってみたり、遠い日の花火じゃなく、中年の恋心とかがブレンドされているのはやっぱり彼ららしいなと思ったりもするのです。

アタシにとってのももクロは、サブカルチャーに近い人々がそれはそれは熱狂的に押していて、という傍観者に感じているもので、その熱狂する当事者としての意識はありません。 本作、実際のところももクロというコンテンツゆえに成立しているということはあって、それが「どういう捉えられかたをすべきなのか」ということを懇切丁寧に描くのは、どちらかというと門外漢のアタシには嬉しい配慮。丁寧な説明は、たとえば友達が呑み屋で熱狂的に好きな何かについて語ってくれる話を聞いているような楽しさがあります。

反面、物語の骨組みとなるべき登場人物を描く部分が相対的に少なくなってしまってる感があるのは痛し痒し。もっともっと味わい深い人々に思えるだけにもったいない気もします。ここまで世間のなにかに依存した物語というのはどうなんだろう、と思ったりもしますし、家族を描くことが多くて時代そのものに載ったような感じではない作品が多い印象があるラッパ屋の中では珍しい気もします。それゆえに、たしかにこの旬でしか作れないもので、それに今の私たちの暮らしの中で感じることがしっかりと組み込まれていると思うのです。

俵木藤汰が演じた町工場のオヤジの二代目は、風情が実にそれらしく、奥深くてずっと観ていたいような味わいがあります。その親友を演じたおかやまはじめも、どこまでも優しく、どこまでも可愛らしく、おおらかな人物の造型がきっちり。一人暮らしをするために一度家を出たけれど会社に行けなくなって出戻ってきた娘を演じた三鴨絵里子。もちろん物語をきっちり支えているのだけれど、露出が多い訳ではないのに、ボディラインに今更ながらちょっと釘付け。見切れとして案内された席がかなり前方だったのもあって、ちょっとすごい。もうね(以下略)。

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コメント

三鴨絵里子さん、いつのまにやらずいぶんシェイプアップされたようでしたね。

投稿: 手塚 | 2012.11.17 15:26

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