【芝居】「オーラルメソッド2」シンクロ少女
2012.11.4 19:00 [CoRich]
ごくごく小さいギャラリースペースで、10人弱という規模のミニマムな公演。 90分。東中野レンタルスペース。
もう5年も会っていなかった3人の兄弟たち。長男の提案でインドに移住した母親を探しに列車に乗る「ダージリン急行」
3人の女たち、鍋をつつき盛り上がる。一人は最近恋人ができたばかり。一人は長くつきあっている恋人が居るが、ときめきはおろかなかなか彼がかまってくれなくて「おなかが空いて」仕方がない。一人はまったく恋人ができないといっているが、最近好きになった人が居るのに、他の二人に話すことができない「オーラルメソッド2」
「ダージリン〜」は男三人のロードムービーをもとに翻案。アタシは映画未見ですが、YouTubeにある予告編の雰囲気はまさにこのギャラリーで観たものなのです。インドを放浪して戻ってこなくなってしまう人が多いし、帰ってきてもずいぶん影響されてくるというのはよく訊く話(インドじゃないけれど青年団「冒険王」がまさにそんな雰囲気)で、そういう「スピリチュアル」な場所を旅して変化していくということなのか、不思議な雰囲気をもった映画のように思います。(なんせ予告編でも「スピリチュアル・ジャーニー」だ)。
前半のばかばかしいことで喧嘩している感じはある種の中二っぽい感じがでちょっと面白い。なんかスピリチュアルなものを大まじめにやってるのか小馬鹿にしてるような感じなのかの微妙なバランスにちょっと居心地悪いような、面白いような。
正直に云って、作家がなぜこれを芝居にしたいとおもったかは判らないし、芝居に向いている題材ともあまり思えませんが、その挑戦する心意気、買いたいのです。
「オーラルメソッド2」は この座組の役者名そのまま、この狭い座組の中で誰と誰がつきあってて、浮気してというごくごく狭い(おそらくは創作)世界の人々で回っている赤裸々っぽい物語。まさに「オーラル」でのシーン、 ゆで卵を食べること、殻をむき、相手の口に押し当てるということが文字通りに「エロ」くて、実に印象的。
だけれども、たとえば会ってカラダをふれ合わさずには居られない気持ちだったり、好きな人が居るのに他人には云えなくて、当の本人に会ってすらも、急速には先に進めない乙女な感じだったり、あるいは浮気されているのがわかっているのに、それでもその人にここに居て欲しいという気持ち。愛というよりは、愛にまつわる「自分の気持ち」を実は冷静に見つめて描き出していて、それゆえにきゅんとする気持ちが濃厚にアタシに伝わってくるのです。
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