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2012.11.19

【芝居】「地響き立てて嘘をつく」ガレキの太鼓

2012.11.17 19:30 [CoRich]

ガレキの太鼓の劇場本公演。一人の女の成長と、人類の歴史を対比させて描く歴史エンタメ95分。21日まで、こまばアゴラ劇場。

子供が産まれた。そのあと、女の子が産まれる。小さい頃は男も女も関係なくて、無邪気に奔放に遊んでいるけれど、女の子は急に大人びて、男を意識したりし始める、それが平安時代。カッコいいちょっとワルい男に惚れてみたり、失恋を重ねたり、女の子は成長し、人類も成長し。

女の子の二十歳ぐらいまでの人生を、主に恋愛とか性といったものを主軸に、人類の縄文時代から現代への流れに重ね合わせるというワンアイディア。1歳=1世紀という早送りで対比でみせる大胆な省略だから、人類のどの部分を切り出して描くかが一定しなかったり、やや無理矢理感がなくはないのだけれど、95分と比較的短いこと、キャストを固定せず、バラエティにとんだ役者が、舞台上で着替えながら、時にコミカルに作り上げていくというある種のイキオイも手伝って、見続けさせてしまう仕上がりに。

さあちゃん、と呼ばれる女の子、ムサシと呼ばれる男の子の幼なじみ。物心つくまでは家族だけ関係が幼なじみに広がる4歳ぐらいから、歴史に沿うように進むものがたり。無邪気な「いちゃいちゃ」で実は男も女もない子供の頃から、8歳ぐらいになって急に「女の子」になって「恥ずかしさ」が出てきて、顔すらみせてくれなくなる時代を平安の貴族の歌の交換になぞってみたり、ちょっとワルそうでカッコよく夢を語る男に惚れる16歳の高校生ぐらいを、戦国時代の強さが価値基準だったことにしたり、17歳の自由な感じ、18歳の芸術に憧れる感じ、19歳で風俗で働くことになるのが文明開化だったりと、人々と色恋の歩みを見せる感じにするのは確かに一つの切り取り方でちょっと面白い。

正直に言えば、ワンアイディアで乗り切るには、少々無理を感じなくはないのですが、それでも着眼点のおもしろさは印象に残ります。あるいは男をずっと一途なもの、女を奔放であちこちにいってしまうものという描き方をしているのもどこか作家らしい感じがしてアタシは結構好きだったりします。

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