【芝居】「浮游するへや」れんげでごはん
2012.10.27 14:30 [CoRich]
6月末から7月にかけての松本公演を皮切りに県内4カ所のツアー公演を経ての凱旋公演。27日まで上土ふれあいホール。60分。研究者と呼び出された先輩の二人のキャストは(ツアーを通して)共通で、高校生の時の思い出の中の友達が男性から女性になったことで、恋人っぽいカップルという関係からラジオドラマに憧れ、連れ添うように放送部に入部した女子ふたりという関係に変化しています。 それでも、あの時に刺さったままの気持ちを持ち続けたまま、友人も居なくて地味に暮らす女と、(彼女を呼び出した理由はやはりよくわからないのだけれど)人にはあまり興味が無い優秀な女の再会というちぐはぐな会話だったり、そこから見えてくる過去のはなしだったりという物語の骨格は7月と変わりません。
呼び出された先輩を演じた馬渡リコは、7月の時に印象的だった猫の仕草が圧巻(フリップで気持ちを書くのはおなじだったか、今回初めて目にしたか記憶が曖昧ですが)なのは変わらないのですが、時にたどたどしく、しかしきっちり突っ込んだり、あるいは絶妙の間合いで外してボケて見せるということが、なんていうんだろう、余裕のようなものさえ感じられるようになって、実に安心して観ていられるのです。隠れるところがなくて人形(手足を伸ばしてペコちゃん風。どっかのパンフにこの写真があったのだけど、ネットにはないか、残念)というあたりもなんか妙に破壊力。
呼び出した後輩を演じた小澤鮎美は、良く考えればマイペース自分中心の暴走研究者だけれど、それを落ち着き払って、しかも時折正々堂々とボケるというよく考えれば無茶苦茶な役をしっかりと。
じっさいのところ、客席の雰囲気にずいぶん左右されてしまいそうな繊細さがあるのだけれど、コミカルで可愛らしくてポータブルで、いとおしい芝居なのです。
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