【芝居】「さよなら、またね」ぴかてんのこえ
2012.10.27 13:00 [CoRich]
演劇祭の母体であるまつもと演劇連合会が毎年続ける「ぴかぴか芝居塾」の10期生(なので、「ぴか・10」)の公演。60分。28日までピカデリーホール。幽霊を探す部活。顧問も含めて盛り上がり、使われていない旧校舎の探索に乗り出すが、いつの間にか増えて居る一人が混じっている。幼い頃にいじめっ子から助けてくれた女の子を守りたいと心に誓う謎の少年だった。その女の子はこの部の部長となっている。果たして、そこにはやはりホンモノの幽霊が居て、守護霊のついている霊感の強い少女や、霊能者の助手などを取り込んでしまう。部長がいよいよ取り込まれそうになったとき、助けに現れたのは。
週1回2時間弱、全7回の初心者向けワークショップ、芝居塾の卒業生有志による公演。晴れた土曜日の昼公演ということもあって、大きな劇場なのにきっちりうまる客席。14名のキャストという大所帯を前提にしてわずか60分の物語を作り、それなりに全員の見せ場を作るというのは並大抵の苦労ではないだろうと想像します。芝居で食っていくということが出来る地域ではありませんから、そんな中でも作演は昨年の卒業生たちの、というあたりもちゃんと機能しているというのが奥行きを感じます。
正直にいえば、もう少しタイトに登場人物もエピソードも絞り込めればということも云えなくはないのですが、まあ、それを云うのは野暮というもの。 元気で明るい女の子、個性的な部員たち、コミカルな顧問や、謎めいた存在だったり霊能者なる突き抜けた登場人物たちのにぎやかな物語は全体に明るくて前向きで、終わってみればちゃんとハッピーエンドに着地するというのも、なんていうんだろう、観ているこちらが(演劇祭とか、芝居塾という文脈は込みとはいえ)ハッピーな心持ちになるというのも、悪いことではないよな、と殊勝な気持ちになったりもするのです。
きっちり芯となる部長を演じた西森彬は物語をきちんと背負います。「癒やし系」な女子高生を演じた北澤幸理や、女の子が大好きで空回りする米山亘は、キャラクタ勝負ではあるのだけれど、それもまた強みではあって印象に残ります。
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