« 【芝居】「こんばんは、父さん」二兎社 | トップページ | 【芝居】「世界を終えるための、アイ」タカハ劇団 »

2012.11.19

【芝居】「Picnic(ピクニック)」のむらんぷ

2012.11.17 14:00 [CoRich]

当日パンフによれば再演のようですが、アタシは劇団を拝見するの自体が初めてです。20日までTheater&Company COREDO。1ドリンク付き。

バスの待合らしい場所、スリとその師匠、カモを狙っていたりする。すっかり寝入っている若い男に目を付けたスリはまんまとお目当てを手に入れた瞬間、赤ん坊の泣き声が響きわたる。親は居ないようだ「ターミナル」
卒業式直後、陸上部は着替えて最後に走る伝統。ジャージ姿の女が誰も居ない部室で着替えられた詰め襟を探っている。後からやってきたセーラー服の女は堂々と抜き取っている「ボタン」
三年の結婚生活に終わりを告げて出て行く男。朝食ぐらい食べていけば、と声をかける妻。そこにばたばたと降りてきたのは卒業式を迎えた娘「ベルリン」

「ターミナル」は若い男のほんの少しの勇気の後押しをするのが、世間からは褒められたものではない仕事をしている二人という一点突破。スリの男と師匠の軽妙な語り口を重ねつつ。一途に優しく、ファンタジーともいえるような一編。

「ボタン」は不器用で陸上一筋、片思いから進めないままの女と、少しばかり「進んで」いて、卒業生の第二ボタンを集めて売ろうと考える卒業生女子二人の会話。それぞれが秘めた一途な気持ちを持っているけれど、その現れ方は対照的で、一人はひたすら秘め続けていて、一人は他の「ノイズ」のように重ねた多くの言葉の奥にある秘めたもの。おそらくは一人の男に対する二人の女の恋心、互いに好きだということはわかっていないけれど、男はその片方に恋心だけれどその男の想いを知っているのは思われていない女、という構図なのかなと思う終盤、追いかけきれなかったあたしは残念。「かけるなら命じゃなくてお金にしてよ」という台詞がちょっといい。

「ベルリン」は連れ添った夫婦の別れ話というだけならよくある感じではあるのだけれど、そこに高校生の娘という三極めを入れることで広がる会話。本当にいやになった結果なんかではなくて、別れたくない気持ちいっぱいなのに、ここに家族でいることが才能の限界のいいわけにしてほしくない、という妻、不本意ながら従う夫、口ではいろいろキツいこともいいながらも、思春期の3年を過ごしたことの想いは深い娘。大きな話題が起こるわけではなくて、離婚や卒業式という節目ではあっても、語られることは、その想いの一点突破で、物語としてうねりを生まないことを物足りなく感じる向きもありましょうが、その雰囲気を楽しむのだよなぁと思ったりもするのです。

夫を演じた澤唯、妻を演じた土谷朋子が圧巻の安定感、彼らを多く観ているということもあるかもしれないけれどこういう夫婦が本当に居そう、という雰囲気がじつによくて。

|

« 【芝居】「こんばんは、父さん」二兎社 | トップページ | 【芝居】「世界を終えるための、アイ」タカハ劇団 »

演劇・芝居」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【芝居】「Picnic(ピクニック)」のむらんぷ:

« 【芝居】「こんばんは、父さん」二兎社 | トップページ | 【芝居】「世界を終えるための、アイ」タカハ劇団 »