【芝居】「ステップアップ」シベリア少女鉄道スピリッツ
2012.10.20 18:30 [CoRich]
シベリア少女鉄道の新作。どこがどう「スピリッツ」なのかはわからないけれど、彼ららしい100分。21日までRED/THEATER。
病院の屋上、待っている女、やってくる男、黒手袋をしたセーラー服の女。元刑事の男が追いかけてくる。
開演前から舞台右上に投影されている「ステップアップ」の文字。オープニングのスライドや開演後の舞台で進む物語で、謎っぽいことが台詞に現れたり、意味不明な物が現れたりするたびに低音とともに数字がカウントアップされていきます。伏線は期待を高めるものだけれど、そのインフレがあまりに進むと物語なんて進んでいないも同然という感じで進みます。おそらくそこに企みがあることは早々にわかります。が、ちょっとさすがに長い感じは否めません。
残り30分ほどになり、訳判らないままに物語はいったん終わりを迎えるのだけれど、登場人物たちは、投影された数字が100を越えたままになっていることに唖然とするのです。投影された画面が変化し、それまでの謎をすべてリストアップ。時に調子に乗って謎を蒔きまくったことを反省しながら、どうやって謎を解い(たことにし)て、数字を少しでも減らそうか、というのがシベ少の真骨頂。ToDoリストよろしく、一つづつ減らしていきます。時に無理矢理タイムリープしたり、時に無理矢理トランプゲームを始めてみたりという具合に。それでもなかなか減らない謎にあきらめそうになったときに、現れる「異形のもの」はまるでコンボのように一気に消えたり、それでも減らないリストはいつのまにか仮装大賞のようになってランプを点灯させさえすればいいというやっつけ仕事に落ち着く楽しさ。
当日パンフや序盤の台詞にある「伏線は回収しなければならない」べきだということ、謎ばかり提示して物語をみてもわからないっていう映画やら芝居やらが多いと作家が思ったかどうかは定かではありませんが、そういうものに一矢報いていると感じて喝采を叫びたい気持ちにもなったりします。
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