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2012.10.02

【芝居】「喫茶室あかねにて。」(B)ホントに、月刊「根本宗子」

2012.9.29 15:00 [CoRich]

毎月公演企画、といいながら二ヶ月にわたって、10月21日までBAR夢。 40分のアナウンスに対して35分。

喫茶店で待ち合わせる女たち。劇団の女優、先輩、後輩たち。長く劇団に居る先輩は彼氏だった作演の座長を、若い後輩女優に寝取られているが、劇団を辞めてはいない。公演5日前なのにまだホンは書けておらず、彼女となった若い看板女優が宥め賺しても進まない。待ち合わせて、ホンを書かせるとか、座長と恋人が千秋楽で揉めてることにガツンというとか。

圧巻の女優たち、この狭い空間で全体にテンション高めで走りきることを嬉しく眺めるというのが正しい見方なのだと思います。書けない作家と、書いてもらわなければわずかばかりのプライドすらも満たされなくなってしまう女優たちがどう書かせるか、と言う枠組みではあるのですが、ひたすら嘆き、喧嘩し、作家を叱咤激励する女優たちの「生態」を眺めるようでたいした物語があるわけではありません。脇からみると大したことないことについて、関係とか意地の張り合いとかということについてのめんどくささということだったりということを執拗に描き続ける、という方法はさすがに40分弱つづけると物語の力で見せ続けるというわけにはいかず、俳優のコンディションだったり客席の暖まり方だったりということにずいぶん左右されてしまいそうな感じはあります。

それでも、高いテンションではあっても、意味の無い短いコントや会話を延々つなげていくこと、それを少なくとも見た目には全力で演じる女優たちを観るというのは結構好きだったりします。そういえば、女三人のくだらない話、というのはアタシの大好物なフォーマットでもありました。

メニューを眺めてセットが頼める時間がおかしい(たしかにそういう訳わからないルールがある店ってたまにある)とかのほじくり出す感じもまた楽しく。

先輩を演じた梨木智香、これまで続けてきたような、劇団員女子というキャラクタの劇団側を描くというあたりの圧巻の説得力。例えば劇団、本谷有希子の中規模の劇場までの時期を支えたのが吉本菜穂子であったように、このユニットにとっての欠かせない看板になりつつあります。それだけにおなじ系統のキャラクタを続けるのではもったいない、さまざまな面を見てみたい気もします。

入ったばかりの女優を演じた根本宗子は、前回公演のOLだったのかなと思わせる(役名記憶しておらず残念)楽しさ。座長の彼女となった女を演じた秋澤弥里は、この座組の中で圧巻の女子っぽさの説得力。ウエイトレスを演じた下城麻菜は物語としては、この人々にとっての他人、というセミパブリックを一身に背負うわけですが、訳の分からない間違いの楽しさ。

後半、歌を歌うってのはさすがに長すぎる感じはいなめませんが、どうして若い作家がこの曲を選んだかということが知りたくなったりします。

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