速報→「SUMMERTIME」TOKYO PLAYERS COLLECTION
2012.9.1 17:00 [CoRich]
上野友之による、競泳水着とは別のユニットの公演。2日まで早稲田・LIFT。60分弱
子供の頃夏休みに訪れた佐賀の村。学校がイヤで訪れたその家に住んでいたのは年上で中学生になったばかりの親戚の子。物静かで大人びていて、美しい彼女のことが大好きになった。夏休みを過ぎてもここに居たいという想いは叶えられず、また来年もといって東京にもどったが、15年も間があいてしまった。
同じ作家のユニットでも、競泳水着とは印象が異なるトープレ。地方と都会、若い頃の情景だったり気持ちの細やかな描写が強くなるという印象があります。その中でもとりわけ想いに寄り添う印象が強い今作。
東京に暮らす女性と、地方に暮らす年上の姪との間の15年を隔てた二回の夏休みの日々の物語。子供の頃と、現在の二十代に別の役者を当て、二人一役の計四人で演じるような形になっています。東京に住んでいる女、子供の頃を演じた李そじんと大人を演じた松本みゆき、あるいは佐賀に住んでいる女、の子供の頃を演じた相楽樹と大人を演じた冬月ちき、顔つきがなんとなく似てるように感じられるのはキャスティングの妙か、演出の力か。
大人の女優で、舌足らずと衣装だけでも、ずいぶんとお姉さんにあこがれる小学生の少女を演じた李そじんはコミカルに逃げることもなく、かといってイタい感じにもしないというのもたいしたもの。中学生を演じた相楽樹は実年齢もかなり若いのと、「大人びてみえる」ということが重要なわけでうまく機能しています。
闘う場である東京と、それに疲れたときに暖かく迎えてくれる場所である田舎、そこに逃げてもいいのだというのは実に優しい視線。いっぽうで、東京で暮らし、生活をしてる陽子と、田舎で暮らしている愛の対比。そんなに素敵なお姉さんだったはずなのに、この田舎にずっと住んでいてそれでいいのか、というのは東京の傲慢だし、それに対して「ここで結婚する、私は幸せだ」という地方の描き方もステロタイプではあります。が、それぞれの場所で生きている人々の生き方というものを、実際のところリアルに描くならこれは腑に落ちる感じがするのです。
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